ベネッセ教育総合研究所 進研ニュース
2002.07
特集 「学力」を考えるシリーズ 2
新しい評価観のもとで生徒の学力をどう評価するのか

毎日の授業に使える
単元ごとの評価規準・評価方法を完成

北海道苫小牧市立緑陵中学校

 苫小牧市立緑陵中学校(曽宇勝治校長)は、二〇〇一年度文部科学省の教育課程研究指定校になり、およそ一年をかけて評価規準、評価方法の研究開発に取り組んだ。その結果をまとめたのが、『各教科の年間計画と観点別学習状況の評価規準』『生きる力を育てる評価の実際』(写真)で、それぞれA4判二百五十ページほどの労作である。二〇〇二年四月から、これをもとに評価活動が行われている。
 『各教科の年間計画と観点別学習状況の評価規準』には、九教科三学年分の観点別学習状況の評価規準が、単元(題材)ごとにまとめられている。これがあれば、新しい単元に入るとき、あるいは授業の初めに、どのような点を評価していくか、どんな方法で評価するかをあらかじめ頭においておくことができる。まさに授業と評価が一体になった冊子である。
 『生きる力を育てる評価の実際』は、応用編・実践編とでもいうべきもので、前半には、二年生の理科の単元を例にどのような手順を踏んで評価するのかが示されている。事例は三つ示されているが、大きく異なる点は、観点別評価から五段階評定への総括の仕方である。第一の方法は、四観点を均等に扱い、観点別評価がそのまま評定につながるもの。第二は、観点別評価とは別に、五段階評定へ総括する方法。第三は、第一と第二の中間的な方法。実際に二つのクラスでの実践結果をもとにした報告なので、興味深い(第一、第二の方法については、国立教育政策研究所から資料の提供を受けた)。後半には、各教科の評価規準をさらに細かくしたものと、事例がそれぞれ収録されている。

▲苫小牧市立緑陵中学校がまとめた評価規準と評価の事例


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