ベネッセ教育総合研究所
関  靖直氏にきく
関  靖直
文部科学省初等中等教育局児童生徒課長
関 靖直氏

せき・やすなお●1983年文部省(当時)入省。スポーツ・青少年局青少年課長を経て、2003年から現職。
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新キャリア教育プラン推進事業を
実施していきます
特集でも報告したように、文部科学省は2004年1月28日、キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議の最終報告書を発表した。これを受けて文部科学省では、施策としてキャリア教育をどのように推進していく計画なのか、初等中等教育局児童生徒課の関靖直氏にお話をうかがった。


未来を描けない若者が増加。
キャリア教育の重要性が増している
─まずは文部科学省がキャリア教育に取り組むことになった経緯を教えてください。
 ここ数年、若者の就職難が深刻な問題となるなかで、いわゆるフリーターや無業者が増加しています。こうした現象は、産業構造の変化の問題なのですが、教育の側にも課題があります。最近の若者についてよく指摘されるのは、将来の目標が立てられず、目標を実現するための実行力も不足していることです。なんとなくフリーターを選んでいる若者も、相当多いと考えられます。
 フリーターや無業者の増加は、職業能力を身につけないままに年齢を重ねていく人が増えることを意味しています。これは社会の重要な課題の一つといえます。進路選択能力や将来設計能力を身につけた若者を育てるために、学校教育においても、小学校からキャリア教育を充実させることが求められているのです。
 そこで、2002年11月に外部の専門家の協力を得て「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議」をつくって検討してもらい、報告書にまとめたわけです。

─若年層の無業者やフリーター増加問題解決のためには、他府省との連携も不可欠だと思うのですが。
 もちろんそうです。昨年6月、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、内閣府の4府省連携で、「若者自立・挑戦プラン」を打ち出しました。若者の職業的自立を促進するため、各府省がそれぞれの立場から雇用施策、産業施策、教育施策の取り組みを強化するというものです。若者向けの就業支援センターの設立などさまざまなプランがありますが、そのなかで文部科学省が担っている重要な役割として、キャリア教育の推進があるのです。


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