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本特集では高校入試の制度面での改革を切り口にしながら、高校現場、中学校現場での課題と対策を述べてきた。改めて整理すると、
(1)学区の再編
(2)入試選抜方法の多様化
にともない、生徒にとっては、受験機会が複数化し、選択肢が増えた。また、高校現場では、学校の特色を打ち出す必要性が増した。
中学校現場では、多様な入試に対応した進学指導が求められるため、個別の入試情報を収集するだけでなく、高校入学後の指導内容など、高校が打ち出している特色も把握することが不可欠だ。そして、生徒の進路実現のための組織的な対策と指導が必要になる。
(3)入試問題内容が「思考力」「表現力」を重視する方向に変化してきている。これは、本来、新学習指導要領がねらっていた方向性であり、加えて大学や一般企業が求める力とも合致している。
中学校では、今後、そうした力をしっかり身につけさせるための指導内容の改善と、その検証のしくみをつくることが重要だ。
また、生徒の高校選びに際して、進学先とのミスマッチを起こさないためにも、高校の先を見通した職業観・勤労観の醸成(キャリア教育)を3か年を通して指導していくことが重要になってくる。
最後に、高校現場で、新入生の変化を見ると、図3に示したとおり、自学自習よりも塾中心、受け身の学習になってきている。この傾向は、入試制度の変更が直接の要因ではないが、高校現場の実感としてとらえられている。 |
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この点を踏まえると、これからの変わる入試に中学校が対応するには、授業を第一に据えながらも、生徒一人ひとりに自学自習の習慣を身につけさせることが何よりも大切ではないだろうか。(編集部) |
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