ベネッセ教育総合研究所
米野岳中学校
■米野岳(めのだけ)中学校データ
 熊本市の北約20km、鹿本郡の中央部に位置し、人口約5千400人の鹿央町と約3万3千人の山鹿市の一部を校区とした「組合立」の中学校で、1947年に開校。農村地帯にあり、学校近くには県立教育センターや県立装飾古墳館、岩原古墳群がある。生徒の多くは自転車通学。朝の校門には、さわやかなあいさつの声が響く。生徒会活動、部活動ともに盛ん。男子駅伝部は伝統があり、2003年度は県大会準優勝、九州大会5位に輝いた。
〒861-0561
熊本県鹿本郡鹿央町大字岩原1350
TEL 0968-36-3151
FAX 0968-36-3152
生徒数/235人
学級数/9学級
都田康弘
校長/都田康弘先生
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「学習集団形成度調査」を学力向上に生かす
実践のポイント
(1)「学習集団形成度調査」で核学級の課題、学校全体の課題を明らかにし、生徒自身の意識も高める。
(2)学校や地域を「支持的風土」に変えていくことで、指導効果を高める。


学級集団を「学習集団」に
 「うちの生徒は、年度後半になって伸びるタイプなんです。1学期は芳しくなくても、だんだんに成績が上がってくる」
 米野岳中学校の学力面の特色を、都田(とだ)康弘校長はこう表現する。授業を見学すると、生徒たちは先生の話を集中して聞いているだけでなく、積極的に意見を言い、他人の意見に耳を傾け、考えている。後半に伸びてくる要因は、このような授業のなかにも表れている。  同校では、「学級集団を学習集団に」という目標を掲げている。学習集団とは授業にすべての生徒たちが積極的に臨み、自由に発言し、他人の考えをよく聞き、考えを深めていくことができる集団…学級集団をそのように変えることで、学力向上につなげていきたいと考えたのだ。
 どうすればそのような「学習集団」をつくることができるのか。同校で大きな役割を果たしているのが、全学年で学期1回実施する「学習集団形成度調査」だ。
 複雑な調査ではない。生徒たちにA4判1枚の紙に書かれた14項目の質問に答えてもらう(図1)もの。自分のクラスが「学習集団」として成熟しているかどうかを生徒が自己診断するわけだ。調査結果は各学級、項目ごとに数値化し、さらに達成度に応じて色分けをする(図2)。
図
 この調査のメリットは、大きく次の三つがある。


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