ベネッセ教育総合研究所
特集 小・中の壁を超える中1・1学期の指導 とは?
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座談会を終えて
田中博之
 牛田先生と玉置先生のお話をうかがって印象深く感じたのは、お二人とも小学校の指導の特徴をよく踏まえ、その長所を受け継ぎながら中学校での初期指導のあり方を考えていることだった。
 また玉置先生が、ホームページや冊子を通じて、生徒と保護者に情報発信をしている例も興味深かった。生徒に、「中学校はどのようなところなのか」を明示し、心構えをしてもらうことで、中1の初期指導が円滑に行えるようになる。また、中学校入学前の子どもを持つ保護者に「私たちはこんな教育をしているので、みなさんも協力してほしい」というメッセージを送ることは、家庭の教育力を向上させるためにも効果的だ。子どもも保護者も、中学校の指導方針を理解したうえで、中学校生活に踏み出せると思う。
 中学校の先生のなかには、小学校に対して「もっと学習習慣や生活習慣を身につけさせてくれなければ困る」などの不満ばかりを述べられる方がいる。一方、小学校の先生にも、「丁寧に育ててきた子どもたちの力を、なぜ中学校は潰してしまうのか」という不満がある。しかし互いに不満を言い合っているだけでは、小6から中1への移行はスムーズにいかない。牛田先生の本山中学校で取り組んでいるように、小学校と定期的な情報交換の場を設けることで信頼関係を築き、カリキュラム等の連携を積極的に進めていくことが、中1の初期指導を成功させるカギを握ると思う。(談)


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