ベネッセ教育総合研究所
学力向上への“確かなビジョン”づくりに向けて
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学力向上に向けての課題の現状
 図6をみると、学校では実態の把握、課題の洗い出しや焦点化に子どもたちの実態調査の重要性を認識している。
図表
 しかし、重要度の認識ほど実態調査の取り組みは行われていないようだ。
 また、「客観的な指標に基づいて成果を測る」という項目は、重要度も取り組み状況もほかの2項目に比べて低く、データに基づいた検証が実施はされるもののまだまだ根づいていないことがうかがえる。
 図7は、「学力向上の取り組みを進めるうえで学校が困っていること」を質問したものだ。
図表
 上位を占めるのは、小学校・中学校とも「教員数・授業時間数の制約」「教師の力量のバラツキ」「学習効果を検証するよい方法が見つけられない」「予算の裁量権がない」「教員間の課題の共有がしにくい」となっている。
 03年調査との数値には若干の相違があるものの、傾向は同じである。
 このなかで実態調査が普及している割には、「学習効果を検証するよい方法が見つけられない」「教員間の課題の共有がしにくい」の中学校のスコアが、03年より04年が上がっていることは気になる傾向である。
 まず仮説を立てて、データでの検証と分析をすることが必要だ。また、調査結果を校内で共有することで、共通の課題の設定をすることもできる。保護者への説明責任を果たすために調査結果を使って説明する学校も増えてきている。
 ほとんどの学校で調査を実施している実態を踏まえて、今後、データの活用法をさらに深めていくことが求められる。
図1~5・7調査概要 調査時期/2004年9月 調査対象/全国の学力向上フロンティア校 中学校 約600校 小学校 約900校の教師 回答数は 中学校284校 小学校347校 中学校には中1生、小学校には小6生について聞いた。調査方法/郵送による自記式アンケート

図6調査(「学力向上のための基本調査2004」)概要 調査時期/2004年5月中旬~6月初旬 対象/全国 1,700人の教師(他に児童生徒約8,900人 保護者約6,400人) 中間報告書は2004年11月刊行、報告書は2005年3月に刊行の予定


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