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学校全体としての設計図が描けているかが成功のポイント
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山中 しかし、逆に言えば、この「総合的な学習の時間」をうまく活用できないと、単に教科の時間を圧迫する要因ととらえられかねません。子どもにどんな力を身につけさせたいのか、授業内容をどのように設計していくのか、ほかの教科とどう関連づけ、どう評価していくのかといったことが明らかになっていない学校があるのも事実で、実際に、「『総合的な学習の時間』を教科の学習に使いたい」といった声もあります。全体として見れば、当初考えていた「総合的な学習の時間」の目的に、今はまだ十分に達していないという認識を私も持っています。
「総合的な学習の時間」に関しては、学校現場にその内容を決める権限が委ねられています。権限があれば、当然、裁量が広がってきます。この点では、校内でうまく学習の設計図ができていることが「総合的な学習の時間」を成功させるうえでの重要なポイントになると言えるでしょう。
現在、文部科学省は全国300校を目標に、「スクールミーティング」を行い、現場の声を聞いているところです。先生方に「総合的な学習の時間」について意見をうかがうと、「もっと学習内容などを具体的に示してほしい」という声もあれば、「やる以上は学校に任せてほしい」という声もあります。こうした意見を広く集めながら、どのようにすれば子どもたちが、身につけた知識を社会のなかで生かしていく力を伸ばしていけるのか、「総合的な学習の時間」のあり方をさらに考えていきたいと思っています。
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