特集 「考える力」を引き出す授業―理数教科からのアプローチ―

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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特集 「考える力」を引き出す授業―理数教科からのアプローチ―

「知識」を生かして、目の前の課題に向き合い、目的に合わせて答えを探し出す「考える力」。現代を生きるうえで不可欠な力を養うための指導について考える。

【課題整理】

「考える力」を引き出す授業のポイント

理数教科の学習目標の一つは、筋道を立てて考える力を身につけることである。「考える力」を引き出しながら進んでいく授業のポイントを、子どもたちの思考のプロセスを踏まえながら検証する。

1 「考える」ことが苦手な今の子どもたち

 ベネッセ教育研究開発センターが2004年末に実施した調査(図1)では、「ものを覚えること」を「得意」とする中学生の割合は全体の5割を超える傾向にあったのに対し、「難しい問題をじっくり考えること」「問題の解き方を何通りも考えること」「論理的にものを考えること」など、思考力にかかわる項目では「苦手」の割合のほうが高かった。
図1
 日本では長い間、与えられた知識を覚えることや、既習のパターンに当てはめて問題を解決していく力が重視されてきた。しかし、今日の社会では、「これまで成功したやり方」ではうまくいかないことが増えている。そんなこれからの社会を生きるために必要なのは、世の中の変化に対応し、状況に応じた正しい答えを自分自身で「考え」、創り出す能力である。
 実際、高校や大学の入試でも、「思考力」を重視する問題が増えている(図2)。そうした点からも、今後は、知識を獲得するだけではなく、その獲得した知識を目的に合わせて組み合わせ、課題を解決していく「考える力」を育成していくことがますます重要になる。

図2

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