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3 「考える力」のステップを踏まえた授業の工夫
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(1)気づく→(2)予想する
「どうしてだろう」「なぜだろう」という気づきは、身の回りのことに「面白そう」と興味を持つことでどんどん膨らむ。授業のなかでは、子どもたちが不思議に感じたり、思わず考えたくなるような課題を工夫して提示し、クラス全体で考える時間を十分に確保することが大切である。特に、自然現象や身の回りの事象を扱う理科では、子どもたちの「なぜだろう」を引き出す材料が豊富にある。その理由を考える「予想」は、教科書で最初から与えられていることが多いが、子どもたちの感性を生かし、自分たちの持っている知識をもとにさまざまな予想を立てていくことが大切である。
数学の場合も、正解にたどり着く最短の解法をすぐに教えるのではなく、子どもが自分なりに試行錯誤して、いろいろな解法を見つけることが重要だ。
このときに大切なのは、間違っているかもしれないと思っても、積極的に発表できる雰囲気をつくることである。発表することにより、子どもは自分の考えを一層明確にすることができる。また、意見を交わし合いながら、多様な気づきや予想が共有されれば、課題を追究することへの明確な目的意識も持つことができる。
(2)予想する→(3)調べる
次は、子どもから出てきた予想や仮説が正しいのかを、自分たちで調べる段階だ。
例えば、理科であれば、実験方法を自分たちで考えていくことが重要だ。教科書通りに実験し、書いてある結果を確かめるだけでは、方法的には合理的であっても、あまり面白さは感じない。たとえ方法が異なっていたとしても、自分で考えた実験方法であれば、主体的に課題に取り組む姿勢が生まれる。失敗したときも自分から原因を考え、別の方法で再挑戦するようになる。
数学でも、子どもたちが思いついた方法で本当に解答が得られるのか一つひとつ検証していくことが大切だ。そのことによって子どもたちは、教科書通りの方法でなくても、また、時間のかかる方法であっても、持っている知識を活用して、粘り強く取り組んでいくことで、解くことができる問題がたくさんあることを学ぶ。
教科書の内容を確かめるための学習ではなく、自分のなかに生まれた疑問に向き合い、自分自身で学習をつくっていくことが大切だ。
(3)調べる→(4)考えることのよさを感じる
クラス全体でさまざまな予想や仮説を共有し、実際に調べることを通して「より合理的な考え」「わかりやすい考え」を探し、自分たちの力で一つの結論を再構成していく。
それは、理科であれば、実験の結果やお互いの考えから矛盾や共通性を発見し、規則・法則などの科学的概念に切り替えていく作業であり、数学であれば、多様な解法を検証しながら一番筋が通る方法、簡潔な方法に絞り込んでいく作業である。
学習を通して、あいまいだった考えや気づきが一つの答えに結実していく。そこでは、子どもたちは、答えが導き出される原理や仕組みに迫ることができると同時に、わかる喜びや知る喜び、達成感を味わうことができる。
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