特集 学校力を生み出す学校評価

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
  PAGE 10/19 前ページ  次ページ

Plan  4月末~5月

授業目標や実態把握をもとに作成した評価項目を、保護者や地域住民に提示する。

■まず子どもの実態を洗い出す
 学校評価は、理想的な学校をつくるための手段の一つだ。最初に子どもの実態を正確に把握し、学校づくりの方向性を明確にすることが大切と、善野八千子先生は話す。
  「学校評価の導入前には、学力や生徒指導上の課題などから子どもの実態を洗い出し、どのような方向に向上・改善させるかを真っ先に考えます。達成度をチェックできるような評価項目を設定しましょう」
  事前の実態把握は、評価項目を作成した理由やねらいの根拠を明確に示すためにも有効と善野先生は言う。「こんな調査結果や問題があるので……」と、説明することで、保護者の納得や理解を得やすくなるからだ。

■提示のタイミングはPTA総会
 評価項目は、実施時期にかかわらず、年度当初に評価者に提示することが重要だ。提示時期として最適なのは、4月末から5月初旬に開催するPTA総会や授業参観など、多くの保護者や地域住民が学校に集まるときだ。
  「注意して見てほしい視点を与えることになるので、評価者は学校の活動を評価の対象としてしっかりと見てくれます。また、評価項目を通して、学校として力を入れていくポイントを伝えることにもなります」

■学校評価のねらいを伝える
 提示の際、教育目標などを含めた学校運営の全体像の中に、学校評価を位置づけて説明する必要がある。
  「保護者の積極的な協力を得るためにも、まず学校評価のねらいを伝えることが重要です。教育目標や授業計画などを通して『こんな学校をつくりたい』『こんな子どもを育てたい』という方向を伝え、そのチェックのために学校評価を導入することを説明します」
  更に「結果は年度内に公表し、次年度への改善策を提示します」など、集計結果の活用法を明示することで、学校評価への参画意識を強めることができる。


  PAGE 10/19 前ページ  次ページ