Q.13 学力調査について、児童・生徒、保護者には、どのような説明をすべきでしょうか。
A.13 学力調査は、児童・生徒の学力を数値で表すため、さまざまな誤解を与えるおそれがあります。実施前には保護者や児童・生徒に対し、この調査が学力のある一面のみを測るものであり、決して「学力」すべてを表しているわけではないことを、十分に説明してください。
Q.14 成績が悪かった場合、保護者の視線は厳しいでしょう。だからといって公開しなければ、隠しているように思われそうですが。
A.14 学力調査の結果だけでなく、そこから明らかになった課題に対して、どのような対策を進めるかを丁寧に説明すれば、保護者の理解は得られるのではないでしょうか。特に、質問紙調査によって明らかになる家庭での生活習慣などについては、保護者の協力なくして改善はあり得ません。保護者にデータを公表して現状を把握してもらい、学校と家庭とが緊密に連携することは非常に効果的な対策になるはずです。
Q.15 学力調査を学校評価の指標として用いるべきでしょうか。
A.15 昨年、文部科学省が作成した「学校評価ガイドライン」においては、学力調査の結果を評価指標の例として掲げており、学力調査のデータは、学校の自己評価の一つの指標になります。もちろん、学力調査は学力の特定の一面を測るものであり、学力全般の指標にはなりません。しかし、客観的なデータですから、質問紙調査の結果を含め、学校が抱える課題を把握するのに役立つでしょう。 調査結果が芳しくないと考える学校では、自己評価の指標に用いるのをためらうかもしれません。しかし、自己評価のプロセスで最も重視すべきなのは、評価すること自体ではなく、そこから明らかになった課題への取り組みを充実させることです。さまざまな指標と共に調査結果を有効に利用して、より良い学校づくりに取り組んでほしいと思います。