地方分権時代の教育行政 栃木県宇都宮市
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「家庭学習の日」を設け、家庭を巻き込む

 一条中学校は、家庭学習の定着にも力を入れる。
  「確かな学力を育成するためには、学校と家庭が連携し、子どもに家庭学習の習慣をつけさせることが大切です。部活動のない水曜日を『家庭学習の日』とし、下校後17時まで家庭学習を行うこととしました」(山市校長)
  国語、社会、数学、理科、英語について教師が課題を用意し、どの教科を学習するかは生徒自身が選ぶ。
  「数学では計算練習や例題の書き写し、理科では1問1答形式の問題など、基本的な学習を重視した課題にしています。家庭学習を定着させ、何回も書いて覚え、自分の弱点克服に向けて活用するという、本来の勉強法を身につけさせるのが目的だからです。きちんと学習したかを保護者に確認してもらうようにしたので、保護者が把握しやすい内容にするよう留意しています」(水口先生)
  山市校長は、「子どもの学力向上に保護者を巻き込み、学校と家庭の連携を深めていきたい」と語る。
  このように、確かな学力の向上を、教師、そして家庭の指導力を高めることで実現しようとしている一条中学校。市教委との連携が重要なことを山市校長は強調する。
  「市教委との関係は良好で、すぐに相談できますし、一緒に取り組もうとしてくれます。06年の12月に市教委が実施した生徒の生活意識調査も、指導の改善に役立っています。こうした調査は、必要だとわかっていても学校単独では質問項目の設定、集計などが難しく、なかなか実現できません。意識調査の結果と『学習内容定着度調査』の結果の相関関係を参考にし、教師の指導のポイントや、家庭学習の方法を更に具体的に考えていきたいと思います」


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