特集 データでひもとく学習指導の「いま」と「これから」

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【データで見る 学習意欲・学習習慣】

家庭学習の指導が
増えている

国際的な学力指標の認知度は4割にとどまる

図1
図2
図3
図1、3 出典:「第4回学習指導基本調査」(ベネッセ教育研究開発センター、回答者は中学校教師、調査概要はP.2参照)
図2 出典:「第4回学習基本調査」(ベネッセ教育研究開発センター)
  図1を見ると、教師が生徒の家庭学習についての関与を強めており、その成果もあってか、生徒の平日の家庭学習時間は増えている(図2)。教師の意識を10年前と比べると、生徒の自発的な学びへの関心・意欲を尊重するよりも、必要なことをしっかり教え、知識・理解を定着させることを重視している傾向が見られる(図3)。
 一方で、生徒の学習意欲についても変化が見られる。「全国学力・学習状況調査」の質問紙調査など複数の調査結果によると、勉強が「好き」「役に立つ」と答える生徒の割合に増加傾向がうかがえる※1。これに対して耳塚教授は、「教師が生徒に対する『教え込み』傾向を強めたことで、基礎・基本の定着についてはある程度の成果が見られる。生徒にとっては、基礎・基本の理解が高まったことが、勉強に対する肯定感を高めた要因の一つになっているのではないか」と指摘する。
 こうした経年変化を見る限り、生徒の学習に対する意欲は前向きな傾向が見られるが、国際的に見た場合はまだまだ低いといってよい。日本は、PISAの第3回調査で、理科学習に関する関心・意欲を示す指標の一部が57の参加国・地域中最下位だった。
 更に、中教審の「教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ」にもあるように、生涯を通じて学び続ける大切さを生徒に伝える重要性が一層高まるだろう。横浜国立大の高木展郎(のぶお)教授は、「『A高校に何人合格』など、目先の目的から学びを捉えるのではなく、生徒の将来につながるものとして学びを捉え、指導することが大切」と語る※2

※1 「平成19年度全国学力・学習状況調査調査結果のポイント」(文部科学省HPへ)より
※2 高木教授の記事はhttp://berd.benesse.jp/berd/berd2010/feature/index.htmlでご覧いただけます

 

Point

生徒の学習意欲を呼び起こす
「学びへの誘い」を工夫する

 

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