明日から使えるICT講座

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▲講師 中川一史(ひとし)先生

独立行政法人メディア教育開発センター教授。数多くの小・中学校で指導・助言を行っている。

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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明日から使えるICT講座:第3回 調べ学習での情報収集

インターネットの利点を知って調べ学習に活用!

インターネットは多彩な情報にすぐに触れられるのが最大の利点。
調べ学習でも大活躍します。
著作権や情報の信憑性などに関して、指導を事前にきちんとし、
授業に大いに活用しましょう。

多面性・鮮度の高さが インターネットの利点

 調べ学習の際、インターネットは書籍や新聞とは異なる特長を持つ情報源となります。
 利点の一つは、多面的な情報が得られること。一つの話題に関して、新聞社による報道や官公庁などの公式な見解、個人の感想など、さまざまな視点の情報に触れられ、視野が広がります。鮮度の高い情報を得られるのも大きな利点です。例えば、市販の資料集の場合、最新版でもある程度の時間差が出ます。今まさに起きていることを調べる場合は、インターネットの方が優れています。
 このように、インターネットは非常に便利なメディアですが、生徒に使用させる場合は事前に次のような指導が必要です。
 まず情報モラルへの理解です。著作権と肖像権について説明し、インターネット上で見つけた文章や写真を引用する場合には出典を明示した上で、自分の意見と区別するように指導しましょう(情報モラルについての詳細は次号で説明します)。
 次に、インターネット上の情報は玉石混淆(こんこう)ですから、信憑性を確認する重要性やその方法をきちんと伝えることも大切です。また、目的の情報を効率よく見つけるために、例えば「環境」だけで検索するのではなく、半角スペースを空けて国名や資料名など複数の検索条件を入力し、必要な情報に早くたどり着けるよう検索方法も指導しましょう。
 次ページに調べ学習に活用できるサイトを挙げました。調べ方に慣れないうちは、教師が2、3のサイトを指定し、情報の取り出し方やまとめ方を練習させることをお勧めします。生徒が調べ終えたあとに例として挙げる形でもよいでしょう。
活用度UP! ワンポイントアドバイス

信憑性を確認する場合のチェックポイント

 

 インターネットは、だれでも自由に情報を発信できる場です。膨大な情報があふれていますが、それだけに情報の質はさまざまです。調べ学習の資料として使う場合は、以下のような方法で信憑性を確認する必要があります。

  • ウェブサイトの運営元を確認する。官公庁などの公的機関や大企業のウェブサイトは信頼性が高いことが多い。個人がつくっているサイトの場合は、出典の有無などにより、サイト運営者個人の主観的な意見か、事実かどうかを確認する。
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  • 教科書や資料集などの印刷媒体や、同じ話題を扱っているほかのサイトと比較し、異なっている部分を中心に確認する。

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