特集 移行期間の課題と対策
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 20/20 前ページ

2:移行措置期間の動き
総則等は先行実施、選択教科は削減

 中学校では今後3年間をかけて、新学習指導要領の全面実施に向けて準備を進めていくこととなる。可能な部分については09年度から前倒しで実施することが基本方針となっており、今後3年間、図2のようなスケジュールで移行措置は進んでいく。

図2

(1)総則・道徳等は09年度から先行実施
 総則、教科書のいらない道徳、「総合学習」、特別活動については直ちに実施が可能。総則には初めて部活動への言及が盛り込まれた。
(2)数学、理科は補助教材を使って先行実施
 系統性の高い数学及び理科については、新課程に円滑に移行できるよう、移行措置期間中から補助教材を用いて、新学習指導要領の内容の一部を先行実施することとしている。このため、数学・理科については段階的に時数増が行われ、数学は10年度から、理科は11年度から新学習指導要領と同じ時数で実施としている。
(3)その他の教科も学校独自に前倒しが可能
 その他の各教科については、各校の判断により、移行期間中から新学習指導要領に準じた指導を行うことが可能とされている。
 移行措置期間の標準授業時数は図3の通りだ。数学・理科は指導内容・授業時数が増加、その分、選択教科等の時数が減少する。そのため、一学年当たりの総授業時数は現行通りの980時間となっている。また、朝の帯時間を使って実施されるドリル学習なども、評価等がきちんと行われるのであれば、授業時数に含めることが可能としている。
 読者アンケートの結果や座談会でも触れている通り、09年度は新学習指導要領の内容や移行措置の動きに関する校内の温度差を急ぎ解消し、全面実施を見据えた指導計画を作成する必要がある。同時に、校長先生を旗振り役に、全校一丸となって生徒に「生きる力」を身に付けさせる努力と工夫が求められている。

移行措置に関する情報は、文部科学省のウェブサイトで公開されている他、各教育委員会からも説明会や研修の情報が発信されている
◎文部科学省 新しい学習指導要領
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm
図3:2012(平成24)年度【全面実施】までの中学校の標準授業時数
▼クリックすると拡大します
図3:2012(平成24)年度【全面実施】までの中学校の標準授業時数

出典:『移行期間中の小・中学校の授業時数』文部科学省ウェブサイト

   PAGE 20/20 前ページ