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頑張りを目に見える形にして学習時間増を図る
取り組みを開始してから2年。その間には、課題も浮かび上がってきた。研究推進委員の的場宏純先生は次のように語る。
「『学習のガイダンス』の配付時には学年集会を開き、オリエンテーションを行いました。しかし、目を通すのはその時だけで、後は机に入れっぱなしの生徒もいました。また、『学習計画と記録』を紛失してしまう生徒もおり、回収率は良いとはいえない状態でした」
そこで、09年度に「学習のガイダンス」の名称を「学びのはぐくみ」に改め、内容も大幅に改訂した(
図2左
)。まず、生徒に定期的に開かせるようにするため、
冊子の後半に「学習計画と記録」を張るスペースをつくった
。手引きに張り込むことで、紛失する生徒は少なくなった。更に、卒業生や大学生から家庭学習の大切さ、勉強法の具体的なアドバイスや体験談を語ってもらうコーナーを新設。教師よりも、先輩からのアドバイスの方が、生徒の共感を得やすいと考えたからだ。
また、テスト前だけでなく普段の学習についても記録させようと、新たに
「家庭学習の記録」(
図2右
)を作成し、勉強した時間分だけマスを塗り学習時間を記録できるようにした
。取り組みを始めてまだ数か月だが、「頑張りを目に見える形にしたことで、励みになるという声も聞かれるようになり、生徒の意識は以前にも増して高まりました。平常時の家庭学習時間は増加傾向にあります」と、的場先生はその成果に手応えを感じている。
図2 「学びのはぐくみ」と「家庭学習の記録」
学びのはぐぐみ
07年度、08年度は「学習のガイダンス」という名称だったが、09年度からは生徒により親しんでもらえるよう「学びのはぐくみ」と変えた。サイズもB4サイズの「学習計画と記録」を張りやすいようB5サイズからA4サイズに変更した
家庭学習の記録
カードの種類は全10種類。100時間ごとに1枚のカードになっている。100時間は若草山、200時間は生駒山、500時間で富士山といったゴールが各シートには設定されている。年間500時間を目標にし、達成すると賞状がもらえる
※こちらから家庭学習指導ツールがダウンロードできます
■「家庭学習の記録」
Wordダウンロード
(291KB)
今後は、校区内の小学校との連携を視野に入れているという。
「学習習慣の定着の大きな壁だと感じるのは、小学校と中学校で宿題の内容が変わることです。小学校では担任によって宿題の量が調整されますが、中学校の宿題は各教科担当からそれぞれ出されるため、日によって宿題量はまちまちです。また、『テストまでにワークを20ぺージ学習する』というように、計画性が求められます。そこでつまずいてしまう生徒が多いのが現状です。宿題の出し方を含め、家庭学習の方法についても、校区内の小学校と連携を深めたいと考えています」(佐貫先生)
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