VIEW21 2000.9  特集 危ぶまれる生徒の学力

危ぶまれる生徒の学力

「学力低下」問題を考える

 近年、生徒の「学力低下」を問題視する教師の声を聞くことが多くなった。そして今、学校現場だけでなく、様々なメディアで、「学力低下」が問題となっている。そこで、生徒の学力の変化を、大学が求める資質としての「意欲」「基礎知識」「表現力・思考力」のうち、今回は「意欲」「基礎知識」の領域について、データに基づいて考えてみたい。


「学力低下」の実態

 生徒の「学力低下」を感じながらも、その一方で本当に生徒の学力は低下しているのか確信を持てない教師も多いようだ。データで見てみると、トップ層も含めて、計算力の低下など基礎・基本が身に付いていない生徒が増えているのは確かだ。教師が現場で感じる思いは、データでも裏づけられている。

「学力低下」の背景

 学習時間や宿題の量、読書時間の減少など、「学力低下」の直接要因としてはいろいろ挙げられる。また、より大きな要因の一つとして学習への意欲の低下がある。しかしこれは、単に生徒一人ひとりの問題ではなく、社会自体が目標を失ったことと表裏一体であり、「学力低下」が社会全体の問題であることを示唆している。

学力向上の対策

 生徒の実態調査を行い、その結果に即して対策を実施したい。多いと思われるのが、学習時間の減少などの形で現れる学習習慣の未定着。これに対しては、低学年次から勉強の仕方を丁寧に教えるなどの方法が有効だろう。学習への意欲を育てるには、自分の将来の目標探しをする場を生徒に提供することを大切にしたい。


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