VIEW21 2002.10  点から線の教育へ 中・高・大接続の深化形

(3)中高接続の背景にある課題意識
中学生の学習習慣の未定着・学力の多様化
→高校の教科指導の見直し

 今後力を入れたい取り組みに「教科指導」に関する項目が挙がっている背景として、図4の課題意識がある。公立・私立高校ともに、「中学校の新指導要領の学習内容削減に対応した、高校の教科指導の見直し」への課題意識が非常に高い。特に公立高校では、「中学生の学習習慣の未定着」「学力の多様化」でも課題意識が「とても大」3割強、「やや大」と合わせて8割弱と非常に高い。塾への依存による家庭での学習習慣の未定着は既に多くの高校で課題となっているが、今後はさらに中学での新課程による、学習内容の削減や、新入生の学力の多様化を踏まえた教科指導の見直しが、重要課題であると考えている高校が多い。

図

中学生や保護者の意識の多様化
→自校の特色のアピール

 また、「自校の特色をアピールすることの重要性」について、私立高校では課題意識が「とても大」5割強、「やや大」と合わせて8割弱と圧倒的に高い。私立高校の場合、生徒募集は学校経営にかかわるため、中学生や保護者に自校の特色をアピールすることを重視しているのは、当然と言えば当然である。それよりも興味深いのは、公立高校でも「自校の特色のアピール」の課題意識が「とても大」「やや大」合わせて7割強となっている点である。「中学生や保護者の意識の多様化」に関する課題認識も高いことから、公立高校でも、自校の特色をアピールする必要性の認識は急速に高まってきているようだ。


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