再編・統合を検討中の大学

 資料2を参照。
 文部科学省の「教員養成系大学・学部の在り方に関する懇談会」は、01年11月に隣接大学同士で教員養成系学部の再編・統合を進めるべきだとする最終報告をまとめている。
 教員養成系学部は、新制大学発足当時から「1都道府県1教員養成系大学・学部」の体制が作られてきた。これが見直される背景には、以下の見方があると言われる。
(1)教員養成課程の小規模化(定員)に伴う「教育の非効率化」
(2)「ゼロ免」いわゆる「新課程」の機能化が不十分(設立趣旨が生かされていない)
 そこで、前記最終報告では、
(1)複数の教員養成系大学・学部を隣接同士で統合
(2)教員養成担当大学には新課程(ゼロ免)を設置しない
(3)教員養成課程の廃止分の定員を使い、新設学部などを設置する
などの案を盛り込むに至った。
 しかし、地域での教育の中核をなし、戦前の「師範学校」からの流れをくみ、地元教育界とも密接な関係にある「教員養成系学部」がなくなることは、大きな動揺を生んでいる模様だ。現時点で、実際に山形大・群馬大他、各地で行政を巻き込んだ様々な意見交換が行われていると言われている。
 また、教員養成系大学・学部に限らず「再編・統合」の流れは急速である。49年の新制大学発足時、国立大は69大学であった。沖縄の本土復帰に伴い、72年に76大学に。その後、医学部のない県をなくすための「医科大新設」、そして現職教員の研修を目的とした「新教育大学」など、新構想大学などの設置を経て、81年には95大学となる。これに4大学の「大学院大学」を加えると99大学になる。今回の「再編・統合」の動きが具現化すれば、増加の一途であった国立大が初めて大きく減ることになる。


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