人生設計全体を見据えた、
より広い意味での進路指導

 このテーマと教養教育の充実との関連に留意しておきたい。02年の中央教育審議会の答申『 新しい時代における教養教育の在り方について』では、激しく変化し地球規模での取り組みを必要とする課題が山積している今日の時代の教養とは、「自らの立脚点を確認し、今後の目標を定め、その実現に向けて主体的に行動する力」であるとしている。この教養教育の理念・目的は、幼少期から生涯を通した学習で達成されていくものとして、幼少期・初等中等段階、高等教育段階、生涯学習段階の各段階において達成されるべき目標が提示されている。
 その中で、「高校における教養教育」は、「生徒の多様な進路を前提とした特色ある教育の推進とともに、将来の職業や学問の基礎となる知識・技能や自らの人生に向き合う態度をすべての生徒に身に付けさせる必要がある」として、次の3点を強調している。
(1)論理的に粘り強く考える訓練を行う
 読書重視、科学的な考え方の基礎の養成など
(2)「将来」との結び付きから学ぶ意欲を引き出す
 進路指導のガイダンス機能充実、「高大連携」の推進や、死や挫折など人生について学び、考える機会の充実
(3)「体験」を通して大人となる基礎を培う
 ボランティアなど社会体験活動の重視など


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