先進校の実践事例取材から見えてきたこと
「総合学習」の実践課題を振り返る
新課程を目前に控えた今、「総合学習」の検討を急ピッチで進めている高校も多いのではないだろうか。また、既に先行実施している高校にとっては、本格的な活動を前にプランの再点検の時期であろう。そこで今回は、これまでの先進校の取材を通して見えてきた、実践上の課題とその対応を整理してみたい。
取材を通して見えてきた 先進校が強調する2つの視点
VIEW21編集部では、2000年度から約3年間に渡り「総合的な学習の時間」に先進的に取り組んでいる数々の高校の取材を行ってきた。各校共それぞれの教育方針や育成したい生徒像を踏まえ、活動プランを立てているため、その取り組みはバラエティーに富んでいる。しかし、取材を重ねていくうちに、どの高校においても必ず課題認識として共通に持っている視点が見えてきた。それは、
(1)生徒の主体性をいかに引き出すか、
(2)実践活動を校内でどのように継承・発展させていくか、
という2点である。これらは、各校が共通に深く認識する部分であり、かつそれぞれ創意工夫を凝らしている部分でもある。
「生徒の主体性をいかに引き出すか」という視点は、「総合学習」の中で培われる資質・能力をどう考えるべきかという問題にかかわるものである。
一方、「実践活動を校内でどのように継承・発展させていくか」という視点は、「総合学習」の時間を推進するための組織体制づくりに関する問題である。
そこで、今回の記事ではこの2点に焦点を当てて、これまでの取材事例を振り返ってみたい。
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