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教科ごとの分科会まで行う中高連絡懇談会 |
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同校が03年度に開始したもう一つの取り組みが、6月にスタートした「中高連絡懇談会」である。中学校の進路担当の教師を高校に招き、生徒の募集要件や高校での生徒育成について説明するのがその目的だ。地域のトップ校である同校がこの取り組みを実施した理由について、教務主任の堀英司先生は「『進学校』という側面以外を見ていただきたかった」と語る。
「本校は心身両面の育成を目指して教育活動を行っているのですが、中学校では『とにかく勉強のできる生徒が入る学校』という認識が未だに根強いのが現状です。実際、推薦入試の要件に『特別活動の実績があるもの』と明示しているのに、中学校側が学業成績だけを基準に、生徒を送り出してしまうようなケースがしばしば見られていたのです」
そこで同校は、通学圏内にある50校もの中学校に参加を呼び掛けると共に、育成すべき生徒像や生徒募集の要件を改めて明示した。さらに、03年度に入学した生徒の状況や、高校入試結果などの情報も準備して、懇談会に臨んだ。
「これまで高校側がこのような会を設けること自体ほとんどありませんでしたので、参加した中学校の先生方には概ね好評だったようです」(堀先生)
また、第1回の経験を踏まえて行われた第2回(9月)の中高連絡懇談会では、更に突っ込んだ情報交換を行うべく、教科ごとの分科会まで実施した。
「教育課程の改訂に伴って、本校が中学校に求める学力要件も当然変化しています。どのような学力を身に付けてほしいのか、あるいは、高校ではどのような授業を行っているのかについて話し合いました。中学校の先生からは『東高に入る生徒だけを指導しているわけではないので、中学校側での授業改善は難しい面がある』という意見も出されましたが、そうした厳しい意見は、高校側が指導改善を進める上で貴重なチャンスになったと思います。中高の授業接続を考える意味から、今後とも一層の連携強化が必要だと考えています」(山口先生)
実際、同校では04年6月の第3回中高連絡懇談会に向け、生徒の生活・学習実態把握調査の実施・分析、校内進路研修会での課題共有が行われている。 |
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