ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT 日本・韓国・中国の高校生の英語力
東アジア高校英語教育調査」について
調査
時期
2003年9月~12月
調査
対象者
日本:15校4300人、韓国:7校5100人、中国:4校4200人の高校1,2年生 及び3か国の高校英語教員
調査
分析
吉田研作教授(上智大)、渡部良典助教授(秋田大)、根岸雅史教授(東京外国語大)、長沼君主先生(清泉女子大)、権五良教授(ソウル国立大)、(株)ベネッセコーポレーション国際教育事業部・ベネッセ教育総研 

今回の調査では、各国間で大学進学を目指す点で同じ属性を持つ「高校生」に母集団を統一し、国別の英語テストのスコアと合わせて「なぜそういった結果が生じているのか」を明らかにしようとした。そのため、絶対評価スコア制の英語テスト(GTEC for STUDENTS)と各種アンケート調査を組み合わせ分析した。
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VIEW'S REPORT
東アジア高校 英語教育調査
日本・韓国・中国の高校生の英語力
弊社が大学研究者と協力して実施した日本・韓国・中国の英語力比較調査の結果が明らかになった。
学習方法、アイデンティティの確立度など多面的に日本の高校生の英語力について考察する。


 日本の高校生は、他国に比べ英語運用能力に自信を持っていない。―そんな調査結果が明らかになった。
 今回弊社では、大学の研究者からなる東アジア高校英語教育調査チームと協力し、2003年9~12月にかけて、弊社の「GTEC for STUDENTS 英語コミュニケーション能力テスト」を活用した東アジア高校英語教育調査を、日本・韓国・中国の高校生及び高校英語教員対象に実施した(図1)。
図1
 現在、英語教育の現状と今後の在り方について広く関心が高まる中、文部科学省では「英語が使える日本人育成のための行動計画」推進の中で、小学校教育への英語導入を検討するなど、英語教育に力を入れようとしている。そうした状況を踏まえ、今回の調査を実施した。

調査結果のポイント
 近年の表現力育成を重視した指導の流れを反映してか、日本の高校生のライティングスキルは相対的に高かったが、リスニングスキル、リーディングスキルは今後に向けて改善の余地も見られた。また、日本の高校生の自己概念として、自我(その人らしさ)の確立への自己肯定度が低い(自信が持てない)点も調査結果として示された。
 それらを受け、以下のような日本の英語教育の課題が抽出できた。
(1)4技能(読む・書く・聞く・話す)別に絶対評価を実施した上で技能ごとの連携を行い、「統合的な英語力」の育成に向けて教え方を工夫することが必要。
(2)学習結果が、将来も含め実際にどう役立つのかを明確にしながら、学習のモチベーションを高める工夫が求められている。



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