ベネッセ教育総合研究所
シラバスの活用 シラバス運用の新たな潮流
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3. 直接手渡すことで「配りっ放し」を防ぐ
 保護者用シラバスに限らず、シラバス全般に共通して懸念されるのは、配付された直後には目を通すものの、その後は顧みられなくなる可能性があることだ。長崎東高校では配付の時期を2度に分け、更に保護者が集まる集会を利用して直接渡すことで、こうした「配りっ放し」を防ぐよう心掛けている。
 「今回は年度途中ということで、9~3月分のシラバスを作りましたが、05年度からは4~8月、9~3月と2回に分けて配付する予定です。1年に1回の配付だけでは、年度の後半部分について読まれなくなる可能性がありますからね。また、配付の方法についても、生徒を通して渡すのではなく、保護者が集まる機会を利用して学校から保護者に直接渡すことを心掛けています」(西田先生)
 実際、04年度は9月末の学年PTAで配付し、05年度は入学式で配る予定だという。こうした保護者向けの集会は回数こそ少ないものの、シラバスの目的や学校の思いを言葉で伝えるよい機会になる。少ない機会を有効に活用して、直接訴えかけることで保護者への浸透度も増していくのだ。
 更に、月に1回長崎東高校が保護者向けに配付している学校便り「立山の風」の中でも、折に触れて保護者用シラバスの存在を知らしめる工夫を施している。学校行事の話題に絡めて「保護者用シラバスにも書いてあるように~」などの文言を盛り込み、保護者の意識をシラバスに誘導していくのである。


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