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1年間をかけて学部の基幹学生を育てるTCプログラム |
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一方、「TCプログラム」は、中央大学商学部への進学意欲が特に高い協定校の生徒に、高校段階から学部レベルに匹敵する研究・論文執筆能力を身に付けさせるプログラムである。1年間に渡る演習形式の授業は、高校の正規の授業として位置付けられている他、学習成果として作成される論文の発表は、そのまま選抜試験の資料となる。言わば「選抜制度であると同時に、学部の基幹学生を高校段階から育成するシステム」(酒井教授)なのだ。
「TCプログラムは東京都教育庁と協力して02年度から実施しているプログラムです。都立国際高校、都立国分寺高校から毎年5~8名程度の生徒を募集し、専任の大学教員が1年間をかけてじっくりとゼミ形式の授業を行います。大学教員がきめ細かく指導することによって、商学の基礎知識や統計処理の技能、資料収集、そして、問題解決型の論文作成能力の高い生徒の育成を目指しています」
入学前の生徒に対し、これだけの労力を投じるのは異例なことと言えるが、実学を重視する中央大学商学部にとって、高い専門性を備えた学生の存在は、他の学生への波及効果などを考えると極めて重要なのだという。最終段階で選抜があるとは言え、現在のところTCプログラムの受講者で不合格になった生徒はいない。それだけ、TCプログラムの教育内容の質は高いようだ。
「ゼミは土曜日を中心に夏休みにも行い、午前10時から2時間以上をかけて行います。時には議論が白熱して夜遅くまでかかったり、日曜日を活用することもあります。能力・意欲の高い高校生とじっくり付き合うことは、大学教員にとっても、学部の授業の進め方や内容を考える上で有意義な体験になっています。実際、こうした体験を通じて、生徒の側もめきめきと実力を伸ばしていきます。私も論文審査を担当したことがありますが、大学入学時に、既に卒論に比肩し得る論文を提出する生徒もいます」
また、中央大学商学部では、公認会計士資格の取得を目指す生徒が多い岐阜県立岐阜商業高校と連携した 岐阜アカウンティング(GA)プログラム、都内の協定校に通う高校生を対象とした東京アカウンティング(TA)プログラム(両プログラムとも中央大学商学部への進学を希望し、高校段階で簿記1級を取得した生徒を対象に、会計に関する出張講義)を実施している。
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