ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT SELHiから英語教育の未来を探る
山脇良雄
文部科学省初等中等教育局国際教育課長
山脇良雄
Yamawaki Yoshio
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VIEW'S REPORT
SELHiから英語教育の未来を探る

SELHiは効果検証と成果の波及段階へ
「英語が使える日本人」の育成に向け、
先進的な英語教育のプログラム開発を行う目的で始まったSELHi事業。
04年度をもって、第1期16校が3年間の活動期間を終えた。
SELHiの取り組みから、これからの英語教育の方向性を考える。


「使える英語力」の伸張がテーマ
 SELHi(Super English Language High School)は英語教育を重点的に行う学校を指定し、英語教育の改善を目指す文部科学省の事業で、指定校には3年間、重点的に資金が配分される(※1)。
※1 02年度に最初の16校が指定され、その後03年度50校、04年度35校、更に05年度は31校が新たに指定を受け、SELHiの活動に取り組む。
 研究テーマは、各高校が自校の課題に基づいて設定する。スピーキングやライティングなど、どの技能の伸長に焦点を当てた取り組みにするかは、各校によって分かれる。しかし、「使える英語力」、つまり英語による表現技法やコミュニケーション能力の伸長を目指す指導法の開発、授業改善の取り組みであることは共通している。ディベートやディスカッション、人的交流などの活動を導入したことで、生徒の授業への参加姿勢が高まったという指摘が多いのも、そうした潮流を反映してのことだろう。文部科学省国際教育課長の山脇良雄氏は、次のように述べる。
  「多くの高校で、発話の機会を数多く設けるなど指導法を工夫することで、英語を話すことに対する生徒の抵抗感が低くなる効果があっただけでなく、積極的に授業に参加する意識も高まったようです。イマージョン教育(※2)の試みについては、英語の運用または教科の内容、どちらに重点を置くか絞りきれず、苦慮している高校も見受けられました。各学校の努力は『使える英語力』を伸ばすための教育の取り組みとして、着実な成果を上げていると感じます」
※2 イマージョン教育とは、数学や体育、音楽など通常の教科を日本語以外の言語で行う教育プログラム。英語で行う場合は「英語イマージョン教育」と呼ぶ。「英語を学ぶ」ではなく「英語で学ぶ」という点がポイント。


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