ベネッセ教育総合研究所
特集 保護者と「共育」する学校づくり
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日々の生徒指導の積み重ねが信頼感の醸成につながる
 知立東高校の取り組みを概観してきたが、保護者に対する説明責任はもちろん、心理的な意味での信頼感の醸成にもうまくつながる取り組みであることが分かる。また、それが、どこの学校にでもあるような、ごく当たり前の指導を丁寧に行う中で実現されていることにも注意が必要だろう。瓜田先生は、その点にこそ重要な意味があると感じている。
  「『保護者の理解を得る』というと、何か特別な活動が必要になると考えがちですが、いくらイベント型の説明会や配付物を増やしても限界があると思います。むしろ、日々の地道な活動を、一つひとつ丁寧に実行していくことに、本校では保護者の理解を得るポイントがあると考えています。保護者から生徒が欠席する旨の電話がかかってきたとき、ただ『分かりました』ではなく『お大事に』と付け加えられるかどうか…。そうした心の持ち方で保護者に向き合えるかどうかが、一番大切なことなのではないかと思います」
  杉浦先生も言葉を継ぐ。
  「保護者の信頼を得る最大のポイントは、学校が生徒をきちんと伸ばしてくれているかどうかだと思います。ただ単に教師が言葉を尽くして学校の方針を説明するだけでなく『共に生徒を育てる』視点を共有し、一緒に生徒を見守っていけるような信頼関係を築くことが重要なのではないでしょうか。子どもを通して保護者に働きかけることこそ、保護者の理解を得る上での基本だと考えています」
  「保護者と共に歩む」という基本に忠実に取り組む知立東高校。その姿勢は、学校が保護者の理解を得るための原点を示しているのではないだろうか。


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