ベネッセ教育総合研究所
理数教育の展望
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SSHを契機とした理数教育の新たな動きへの期待感
 異なる立場の方から、SSHへの期待と理数教育に対する思いを語っていただいた。それぞれのお話から、三つのポイントを整理してみた。
 一つ目は、SSHの学校の実践を契機に、「公式や法則の暗記だけでなく、その本質を考えさせる学習スタイル」が高校で広がることへの期待だ。西澤氏と堀場氏からは、「身近で素朴な『なぜ』から出発する探究型の学び」につなげていく必要性をうかがった。二つ目は、小・中・高・大の教育の連続性の中で今後の人材育成の在り方を考えるべきという視点だ。有本氏は、SSH事業継続の背景に触れ、理数教育を巡る一連の動きは、SSH事業に留まらず、理数系人材のトータルな養成プランであることを指摘された。三つ目には、SSH事業を契機とした、高大連携・接続教育の深化を背景とした、大学入試選抜の見直しに関するご指摘があるだろう。また、インターンシップ受け入れの経験から、堀場氏は、外部機関との連携こそ、教育プログラムに位置付け、長いスパンで捉える全体設計が必要であるとの考えを示しておられる。
 SSH事業を中心とした理数教育の新たな動きには、日本の今後の人材形成に向けた大きな期待が寄せられている。次章では、その具体的な内容を見ていきたい。


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