未来をつくる大学の研究室 ヒューマノイドロボット
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 5/5 前ページ

やりがいは?
未解明の事柄を開拓するからこそ研究は面白い

 研究の基本にあるのは数学や物理、力学の考え方ですが、「そもそも知能とは何か」という哲学的な問いについて考える力、脳科学、心理学などのセンスもある程度必要です。この学問的な幅広さもロボティクスの面白さの一つなんです。最終的に、複雑な身体を持つものが知能的な行動や運動をつくり出していく仕組みを解明し、「自分で判断して動けるロボット」という形で、目に見える結果にしたいと考えています。まだ当分先の話だとは思いますが。
  研究生活を一言で表すと「自由」です。講義は学部生時代より少なくなりますし、研究の進め方や時間配分も個人に任されます。つまり、自分で考え、決めていく部分が多くなるわけです。
  また、解明されていない事を追究していくのが大学院での研究なので、高校時代の「与えられた教科書を勉強し、数十分単位で答えを出す」こととは全く違います。特にロボティクスはまだ新しい分野なので、自分で切り開かなければならないことも多く、そういう意味でも挑戦しがいのある分野だと僕は思っています。

写真3
写真3 プログラムを組むのは試行錯誤の連続。うまくできたと思っても、実際には動かなかったということはよくあります。
高校生へのメッセージ
興味の方向を少しずつ意識して
 高校生のうちは、大学に入って何を研究したいかとか、何が自分に合っているかといったことは、まだ具体的には分からないし、イメージしにくいかも知れません。僕もそうでしたが、大学でいろいろ勉強してみて初めて分かるものもたくさんあります。それでも、どんな雰囲気のことがやりたいのか、高校生のうちから少しずつ意識して考えるようにした方がよいと思います。  大学での研究は、未知の事象を解明・実現する作業なので、正解の見えない、もやもやした状態に耐えながら少しずつ前進していくことになります。これは、高校までの勉強とは全く違います。その分、苦労もありますが、やりがいは大きいですよ。(門根さん)

  PAGE 5/5 前ページ