研究の基本にあるのは数学や物理、力学の考え方ですが、「そもそも知能とは何か」という哲学的な問いについて考える力、脳科学、心理学などのセンスもある程度必要です。この学問的な幅広さもロボティクスの面白さの一つなんです。最終的に、複雑な身体を持つものが知能的な行動や運動をつくり出していく仕組みを解明し、「自分で判断して動けるロボット」という形で、目に見える結果にしたいと考えています。まだ当分先の話だとは思いますが。
研究生活を一言で表すと「自由」です。講義は学部生時代より少なくなりますし、研究の進め方や時間配分も個人に任されます。つまり、自分で考え、決めていく部分が多くなるわけです。
また、解明されていない事を追究していくのが大学院での研究なので、高校時代の「与えられた教科書を勉強し、数十分単位で答えを出す」こととは全く違います。特にロボティクスはまだ新しい分野なので、自分で切り開かなければならないことも多く、そういう意味でも挑戦しがいのある分野だと僕は思っています。
|