「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」などの国際的な学力調査の結果から、日本の生徒の多くが、数学や理科を好きでないことが指摘される。では、ほかの教科と比較しても、「数学嫌い」や「理科嫌い」は多いのだろうか。今回は、大学生(6,463名)の調査から、高校時代の教科・科目の好き嫌いの結果を紹介する。 まず、ほぼ全員が履修した国語、数学、英語の3教科を見る。右図からわかるように、「現代文」「数学」「英語」は「好き」が約6割と多い。ただし、国語の中でも「古典」は嫌いだった生徒が多いようである。
次に、社会は、科目によって多少の違いはあるものの「好き」「嫌い」「未履修」がほぼ三分という結果となった。履修者の中で「好き」と回答する割合が高いのは「日本史」(63.3%、履修者に占める「好き」の比率、以下同様)であり、「世界史」(49.7%)と「倫理」(48.9%)は5割を下回る。 理科は科目によって履修率が大きく異なり、「化学」と「生物」が8~9割、「物理」5割、「地学」2割となっている。履修者の中で「好き」と回答する割合が高いのは「生物」(70.2%)で、「化学」(47.1%)と「物理」(44.9%)は5割に満たない。 こうした教科・科目の好き嫌いは、当然、文系と理系で異なる。ほかのデータも含め、全般的に見ると、理系進学者の「国語嫌い」「社会嫌い」よりも、文系進学者の「数学嫌い」「理科嫌い」の方が著しいようだ。