更に図3からは、教師が抱えている指導上の課題がいくつか浮かび上がってくる。教師は、「生徒の進路が多様で指導困難」「生徒が何を考えているかつかめない」といった生徒気質の変化を前にしながら、教師の「指導力のバラツキ」「知識・情報の不十分さ」「時間的なゆとりのなさ」に苦心している状況が見て取れる。生徒の意識の把握が難しくなると共に、進路に迷う生徒を指導するための十分なノウハウを教師が構築・共有することが難しくなってきているのだ。
今、教育現場は、地域差はあるが、団塊世代の大量退職という問題に直面し、指導のスキル・ノウハウの継承の在り方に再考を迫られている状況といえる。中でも、面談のノウハウは、教師個々のキャラクターや経験など、個人の力量に左右されるものという印象が強い。そこで、個々の教師によって「職人芸」的に行われてきた面談の在り方を見直す学校も多くなってきたようだ。
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