データが語る高校の実像 進路の相談相手
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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データが語る高校の実像 4
ベネッセ教育研究開発センターの調査から高校生の姿を浮き彫りにする

進路の相談相手

高校生が進路について相談し、意見を聞いたときに強く影響を受ける相手はだれか。大学生の振り返り調査から探る。

家庭の中では父よりも母を頼りに

 大学生を対象に進路選択のプロセスを振り返ってもらった調査から、高校時代に意見を参考にした相手について尋ねた結果を紹介する。
  図1は、全体の結果を示している。「参考にした(とても+やや)」という回答が最も多いのは、「高校の先生」(70.0%)だ。進路指導のプロであり、身近で相談しやすい高校の先生が、進路選択の際に最も頼りにされていることがわかる。
  続いて、「母」(67.7%)、「学校の友だち」(56.3%)と身近な人が上位にランクし、ここまでが5割を超えている。「父」は4位だが、「参考にした」という比率は48.7%で半数を割り、「母」よりも20ポイント近く下回る。家庭の中では、父親よりもむしろ、母親に相談をし、その意見を参考にしているケースが多いようだ。

図1

アドバイスに耳を傾けない傾向にある男子生徒

 この結果を性別に見ると、どのような傾向が表れるのだろうか。図2を見ると、ほとんどの項目で、女子の方が「参考にした」と回答する比率が高い。男子に比べて女子の方が、相談したときの相手の意見を積極的に参考にしているといえるだろう。
  こうした男子の傾向は、高校の先生に対しても同じだ。男子生徒については、進路指導の場面でも、他者の意見を十分に聞かず、狭い視野から進路選択をしている可能性があることを踏まえた上で、サポートしていく必要がありそうだ。

図2
出典●(株)ベネッセコーポレーション『進路選択に関する振返り調査-大学生を対象として-』(平成17年度経済産業省委託調査報告書)/調査時期●2005年1~2月/調査方法●郵送法/調査対象●ベネッセコーポレーションが所有する名簿から、全国の4年制大に通う文系男子、文系女子、理系男子、理系女子の大学1~4年生、各2,500名(計10,000名)を抽出/回収数●6,463通(回収率64.6%)

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