真のリーダー育成を目指して 愛知県立一宮高校

斎藤正晴

▲愛知県立一宮高校

校長

斎藤正晴

Saito Masaharu
教職歴33年目。一宮高校に赴任して1年目。「知・徳・体のバランスの取れた真のリーダーを育成していきたいと考えている」

細川正徳

▲愛知県立一宮高校

教頭

細川正徳

Hosokawa Masanori
教職歴26年目。一宮高校に赴任して2年目。「生徒に『この学校の卒業生でよかった』と思ってもらえるような指導をしていきたい」

堀江 昭

▲愛知県立一宮高校

堀江 昭

Horie Akira
教職歴32年目。一宮高校に赴任して16年目。進路指導主事。「自分自身の夢を大切にし、それに向かって努力する生徒を育てたい」

水谷忠資

▲愛知県立一宮高校

水谷忠資

Mizutani Tadashi
教職歴33年目。一宮高校に赴任して12年目。教務部主任。「自主自律の精神を持って世界で活躍する人材になってほしい」

山崎武嗣

▲愛知県立一宮高校

山崎武嗣

Yamazaki Takeshi
教職歴22年目。一宮高校に赴任して15年目。1学年主任。「それぞれの生徒の持って生まれた力を偏りなく伸ばしていきたい」

栗木晴久

▲愛知県立一宮高校

栗木晴久

Kuriki Haruhisa
教職歴14年目。一宮高校に赴任して6年目。1学年副主任。「しっかりと自己を認識できる社会人に育ってほしいですね」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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真のリーダー育成を目指して(6)

愛知県立一宮高校

幅広い分野で発揮できる「応用の利く基礎力」を身につけさせる

2006年度入試で東京大合格者数が28名、

名古屋大合格者数が142名の大躍進を遂げ、注目を浴びている愛知県立一宮高校。

県の拠点校として高い実績と信頼を誇る一宮高校にとって、

真の学力、真のリーダーに求められる資質とはどのようなものなのだろうか。

一宮高校が考える

リーダー育成のポイント

社会に出てから必要となる言語運用能力を身につけさせる
場面に応じて自分の役割を認識し、動ける力を育てる

何でも鵜呑(うの)みにせず自問自答する姿勢を養う

――一宮高校は「質実剛健」を校訓に、県の拠点校としてコンスタントに高い進学実績を上げ、地域から厚い信頼を得ています。一宮高校が育成したいリーダーとは、どのような資質を持った人材なのでしょうか。

 

斎藤 未来のリーダーは、今の社会を形づくる私たち大人を乗り越える存在にならなければなりません。教えられたことだけをしていたのでは、いつかは壁に突き当たる。教師の指導から素直に学ぶことも大切ですが、何でも鵜呑(うの)みにせず、「それは本当か」と自分に問いかけながら理解する姿勢を養うことが大切です。

 

細川 周囲の信頼を得ることもリーダーには欠かせない条件だと思います。リーダーは周囲の人に資質を認められて、初めてなれるもの。それは、社会人として幸せなことだということを、生徒にも理解してほしい。

 

水谷 近年は、医療現場などでも見られるようにチームワークが大切になってきています。周囲からの信頼と支援がなければ仕事をスムーズに進めることはできません。また、必ずしも人の上に立って周りを引っ張るだけではなく、ある任務ではリーダーを、別の任務ではフォロワーを務めるというように、場面に応じて柔軟に自分の役割を認識し、動ける力も求められるでしょう。置かれた状況の中で周囲を巻き込んでいく力がリーダーシップであり、そうした力を養うことが、本校のリーダー育成の主眼といえます。


――学習指導だけでなく部活動や行事も積極的に奨励し、「文武両道」を理念で終わらせていないのも、そうした人材を育成する上で重要だと考えているからでしょうか。

 

山崎 部活動や学校行事を通して上下関係やチームワークを経験することは、将来、社会で活躍する上で貴重な財産になります。本校では9割の生徒が3年生の春まで部活動を続けますし、毎年9月にある学校祭は3年生主導で行います。入試結果だけを求めるならば、行事の削減が考えられます。しかし、入試結果よりも、そうした体験を積ませることの方がリーダーの育成には欠かせませんし、その経験は人生のどこかで必ず生きてくると思います。

 

堀江 本校のポリシーとして、行事はたとえ縮小しても廃止することはありませんし、レベルも下げさせません。短期で集中して行事に取り組み、終了後はすぐに受験モードへと切り換える。そうしたメリハリが大切です。毎年2月には市民会館を借りて大規模な予餞(せん)会を行います。後輩が感謝の気持ちを込めて先輩を送り出し、3年生もそれを受け止めて大学で頑張る。学校行事はチームワークや達成感を体験するためだけでなく、豊かな心を育むためにも欠かせないのです。


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