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研究内容
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滋賀県立 米原高等学校

研究内容2:「読む」力を「話す」力につなげる取り組み
■実証したい理論や仮説
仮説:「読む速度が増せば、話す速度も増す」
「読む」活動を通して、「話す」能力の育成へ導くことについての相関性を、英文多読から実証したい。そのための教材として、Penguin Readersを使い、比較的語彙レベルの低い内容の教材を使うことにした。これは、「読む」活動の到達目標である内容理解力の差異によって、「話す」活動への影響が考えられるからである。また、この仮説を論理的に実証するためには、教材の内容が理解できているということが前提になるからでもある。
 あらかじめ教材の語彙数を提供し、読破した時間を測らせる。その後その教材についてのあらすじを書かせ、それが正しいものについて検証することにした。最初の3ヶ月は生徒個人の読み方で読ませた(訳読式での読み:以下読み1と記す)。その後、サブボーカライゼーション式での読みとトップダウン式での読みを徹底させ、日本語に訳読する隙を与えないようにした(発話作用による読み:読み2)。その結果訳読による読み(英語を日本語に置き換えて読む)と音読(サブボーカライゼーション)での読みのWPMを測定した(結果1)。最初の3ヶ月とその後の期間にそれぞれスピーキングテストを実施し、発話能力(発話した語彙数、表現、音声学的な能力)を測った(結果2)。
■到達目標
【結果と検証】
結果:WPMは、読み1に比べ、読み2に高い値がみられる。またスピーキングテストの結果1と2にも向上がみられる。
検証:音読しながら「読む」ことによって、「話す」速度は増すだけでなく、読むことによってInputされた表現が、Outputされやすくなった。後者は、生徒の発話内容を活字化することによって実証されている。したがって、音読しながら「読む」ことが、「話す」能力の向上に寄与する大きな要因の一つであり、それが「話す」能力を育成する手段となると考えられる。
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