データが語る高校の実像 学習上の悩み
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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データが語る高校の実像 7
ベネッセ教育研究開発センターの調査から高校生の姿を浮き彫りにする

学習上の悩み

高校生は学習に際してどのような悩みがあるのか。1990年から継続的に行っている「学習基本調査」の結果から考察する。

学習の「方法」と「計画」に悩む高校生

 高校生の学習上の悩みとして上位に挙げられるのが、「上手な勉強の仕方がわからない」「こつこつと努力できないで困る」「どうしても好きになれない科目がある」である。時系列で見ると中学生・高校生共に「上手な勉強の仕方がわからない」は調査開始以来、常に6~7割であり、高校生では「こつこつと努力できないで困る」も6割とほぼ一定である(図1)。つまり高校生にとって「勉強方法」「計画的な学習」は今も昔も変わらない悩みであり、各教科の学習方法や計画的・継続的な学習習慣の定着に関する指導は従来通り重要であることを示唆している。

図
※中学生データの出典は『第4回学習基本調査・国内調査報告書・中学生版』より。調査対象は全国3地域[大都市(東京23区内)、地方都市(四国の県庁所在地)、郡部(東北地方)]の中学2年生で、サンプル数は1990年2,544名、1996年2,755名、2001年2,503名、2006年2,371名。

学習が何の役に立つのかわからない高校生

 一方、近年増加傾向にある悩みは、「どうしても好きになれない科目がある」「わかりやすい授業にしてほしい」である(図2)。更に「どうしても好きになれない科目がある」と回答した生徒に限り、ほかの学習上の悩みとクロス集計した結果(図3)を見ると、「どうしてこんなことを勉強しなければいけないのかと思う(76.6%)」「世の中に出てから、もっと役に立ちそうな勉強がしたい(74.6%)」が上位となった。先に述べた学習指導もさることながら、高校で学習することの意義・意味を生徒に考えさせ、理解させるといった学習の動機付けも必要だと考えられる。

図2
図3
※「どうしても好きになれない科目がある」と回答した生徒(2,898名)を対象に再集計し、上位2項目のみを示した。

出典●「第4回学習基本調査・国内調査報告書・高校生版」/調査時期●2006年6~7月実施/調査方法●学校通しの質問紙による自記式調査/調査対象●全国4地域〔東京都内、および東北・四国・九州地方の都市部と郡部〕の普通科に通う高校2年生(1990年:2,005名、1996年:2,615名、2001年:3,808名、2006年:4,464名)/抽出方法●時系列での比較や地域による違いを見るために、有意抽出した同一校に継続的に調査を依頼している。そのため、数値は全国的な高校生の代表値を示すものではない。

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