データが語る高校の実像 心や身体の疲れ
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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データが語る高校の実像 8
ベネッセ教育研究開発センターの調査から高校生の姿を浮き彫りにする

心や身体の疲れ

高校生は日常生活でどのような疲れを感じているのだろうか。2006年に調査した『学習基本調査』の結果より報告する。

16年前の高校生よりも「疲れ」を感じている

 心や身体の疲れに関する質問は1990年にも行っており、16年前との比較を図1に示した。「とてもそう」と「少しそう」の合計で見ると、「あきっぽい」のみ減少しているが、ほかの質問項目ではやや増加しており、「あくびがでる(89.9%)」、「だるい(85.8%)」、「目が疲れやすい(77.9%)」が上位3つとなった。
 更に、上位3つの「とてもそう」に注目すると、「あくびがでる」では36.0%から54.1%(+18.1ポイント)、「だるい」で39.9%から49.8%(+9.9ポイント)、「目が疲れやすい」で33.7%から40.3%(+6.6ポイント)となり、内訳を見ると高校生の疲労感は高まっていることが確認できる。


図1
*サンプル数は、第1回(1990年):2,005名、第4回(2006年):4,464名

疲労を感じていても学習時間は1時間以下

 では、これらの「疲れ」は何に起因するのだろうか。図2に、上位3つの「あくびがでる」「だるい」「目が疲れやすい」に「とてもそう」と回答した生徒の平日の学習時間を示した。平日の学習時間が「0分」で最も大きな値を示しており、更に学習時間「1時間以下」でほぼ6割近くを占めていることが確認できる。
 つまり、生徒は学習による「疲れ」を感じているというよりも、その他の生活習慣や行動によって「疲れ」を感じていることが考えられる。このことは、学習指導をする上で、学習時間だけでなく放課後・帰宅後の時間の使い方についても実態把握をする必要性を示唆していると考えられる。


図2
*カッコ内はそれぞれの質問に対して「とてもそう」と回答した人数
*無回答・不明は省略

出典●「第4回学習基本調査・国内調査報告書・高校生版」/調査時期●2006年6~7月実施/調査方法●学校通しの質問紙による自記式調査/調査対象●全国4地域〔東京都内、および東北・四国・九州地方の都市部と郡部〕の普通科に通う高校2年生(1990年:2,005名、1996年:2,615名、2001年:3,808名、2006年:4,464名)/抽出方法●全国4地域〔東京都内、および東北・四国・九州地方の都市部と郡部〕より有意抽出した同一校に継続的に調査を依頼している。そのため、数値は全国的な平均値を示すものではない。

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