データが語る高校の実像 中高生の家庭学習
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データが語る高校の実像 12
ベネッセ教育研究開発センターの調査から高校生の姿を浮き彫りにする

中高生の家庭学習

現在の高校生と中学生の家庭学習の内容や学習スタイルの違いについて、『第4回学習基本調査』の結果より報告する。

中学生の学習時間の約4割が「宿題」

 図1は、家庭で行う宿題と予習・復習について中学生と高校生を比較した。中学生・高校生とも9割近くが「宿題」と回答しており、データからはほとんどの生徒が家庭学習で「宿題」をしていることが確認できる。
 図2は、中学生の平日の学習時間と宿題にかける時間の平均と比率を示した。大都市・地方都市では宿題にかける時間が約30分と学習時間の3~4割程度、郡部では50分で学習時間に占める「宿題」の比率がほぼ6割と高い。図には示していないが、大都市・地方都市の通塾率が5~6割、郡部が2割程度であることから、郡部以外では塾などの学習機会による学習時間が長いことが考えられる。


図1

高校での学習スタイルの転換が必要

 中学生と高校生の家庭学習の方法のうち、大きな差が見られた項目を図3に示した。中学生と比べ高校生がよくする学習は「教科書やテキストをくり返し読む」「辞書(英語・国語など)を引く」だ。中学校まで辞書を使った学習はあまりしていない上に、高校生のほぼ半数しか辞書を使った学習が定着していないという結果から、新入生に対して早期に辞書を使った学習の重要性を意識付けることが必要だといえるだろう。
 また、高校生は「英単語をくり返し書いて覚える」「漢字をくり返し書いて覚える」など、反復して書いて覚える比率が中学生より低い。高校では単なる丸暗記でなく、例文や文脈の中での用法、類義語などを意識した学習が背景にあると考えられる。


図2、3
出典●『第4回 学習基本調査・国内調査報告書・高校生版』/調査時期●2006年6~7月実施/調査方法●学校通しの質問紙による自記式調査/調査対象●普通科に通う高校2年生/サンプル数●第4回:4,464名/抽出方法●全国4地域〔東京都内、および東北・四国・九州地方の都市部と郡部〕より有意抽出した同一校に継続的に調査を依頼している。そのため、数値は全国的な平均値を示すものではない。

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