データで見る中学校 中学校教師の意識は学力向上重視に変化
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データで見る中学校 vol.1

中学校教師の意識は学力向上重視に変化

ベネッセ教育研究開発センター「第4回学習指導基本調査」より

基礎・基本を徹底させる意識が高まる

 2007年にベネッセ教育研究開発センターが行った「第4回学習指導基本調査」の結果から、中学校教師の教育観を見てみたい。図は、97年調査と07年調査において、「授業や生活指導で大切にしていること」についての質問の比較である(2つの対となる教育観を提示し、あえて言えばどちらを重視しているか1つを選択してもらう形式)。「どの子どもにも、できるだけ学力をつけさせること」が66.5%から85.6%に、「不得意な教科や領域の学力をつけさせること」が37.4%から61.7%に大幅に増加するなど、学力向上を重視する意識が高まっていることが見てとれる。これらの結果は、文部科学省の方針や保護者の要望などの「学力向上への期待」を受けて、基礎・基本を徹底させようという表れではないかと考えられる。


図

中学校教師の意識変化も踏まえた生徒把握が必要

 また、「自発的に学習する意欲や習慣を身につけさせること」が減少し(81.3%→66.5%)、「家庭や校外での生活も、できるだけ指導すること」が増加する(42.8%→61.8%)など、生徒の自主性を尊重しようという意識が弱まっている。これらの調査結果から、中学校教師の意識は、10年で「自主性の尊重」から「学力の向上重視」に大きく転換していることがわかる。
 高校現場では「最近の生徒は、素直でまじめだが受け身」という声をよく聞くが、生徒の変化だけではなく、中学校における指導の影響も関係していると考えられる。4月の導入期指導のポイントは、多面的な生徒把握を踏まえた指導である。そのためにも、新入生の実態の背景にある中学校の教師の意識変化を知っておくことは重要だろう。

出典●『第4回学習基本調査』/調査時期◎97年調査:1997年12月~1998年1月、07年調査:2007年8~9月実施/調査方法◎郵送法による質問紙調査/調査対象◎公立中学校の教員 97年調査:1,368名、07年調査:2,109名/調査地域◎97年調査:岩手県、新潟県、東京都、岡山県、福岡県、熊本県、07年調査:全国

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