特集 「自立する高校生」をどう育てるのか
 
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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肯定し合う雰囲気が自立を促す

石原 高校の外の世界に触れることで、社会の中での自分の価値を考えるようになり、更に勉強に励むことができると思います。だから、母校で実施している「国際高校生フォーラム」も、私にとっては一つの成長の機会でした。
深澤 高校の先生にお願いしたいのは、生徒の得意な部分、頑張っていることを見付けて、更に外の世界へと視野を広げてあげてほしいということです。私の場合、先生に紹介された数学コンテストは特によい刺激になりました。また、先生から(※)ガロア理論の本を紹介されましたが、読み進めるうちに数学の世界がとても広いことを思い知らされました。
石原 他人から言われて気づくことも、たくさんあると思います。日本は広いし、世界はもっと広い。だから、高校生の日常生活では決して知ることのできない世界をもっと教えてほしい。自分の知らない世界を知ることで、もっと自分を高めようという意識が生まれると思います。
深澤 生徒がやる気を失うのは、「なぜそんなことをやるの?」というネガティブな雰囲気が生まれてしまったときだと思います。どんなことでもしないよりはした方がいいと私は思っていたし、多くの先生方もそうおっしゃっていました。どんなことでも「頑張ること」が肯定される雰囲気が学校にあれば、高校生はもっと前向きに行動できると思います。私の母校の先生は鉄道にとても詳しかったり、肉体を鍛えるのに夢中になっていたり、人生の先輩としてもユニークな方ばかりでした。そんな先生の後ろ姿を見ていたからこそ、自分たちも頑張ろう、頑張ることはよいことなんだ、と思えたのです。

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