データで見る中学校 将来の進路や職業などをテーマにした総合学習が増加
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データで見る中学校 vol.4

将来の進路や職業などをテーマにした総合学習が増加

ベネッセ教育研究開発センター「第4回学習指導基本調査」より

進路学習を行う中学校が増加傾向

 「総合的な学習の時間(以下、総合学習)」は、中学校でどのように実施されているのだろうか。は、導入当初の2002年と、導入から5年経った07年に、総合学習での活動内容について、中学校教師に尋ねた結果だ。
 07年調査で最も多かったのは「将来の進路や職業などの指導」だった。02年調査よりも約17ポイント増え、9割近い中学校が進路学習を行っていることになる。
 中学校では、「キャリア・スタート・ウィーク」という、職場体験によって生徒の勤労観・職業観を育てる取り組みが行われている。職場体験や事前事後学習は総合学習で行われ、内容は高校の進路学習と重なる部分が多い。高校では、中学校との連続性を考えた進路指導がより重要になるだろう。


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中学校での活動内容を把握し、生徒が培ってきた力を伸ばす

 中学校の総合学習で行われるテーマとしては、「進路学習」以外にも、「地域」「環境」「福祉」などが挙げられた。これらは、高校の総合学習でもよく行われるテーマである。そのため、重要なのは、自校の生徒が中学校時代にどのような取り組みをしてきたのかを把握することだ。もちろん、中学校によって取り組みは異なるため、高校での活動の足並みをそろえることは難しいかもしれない。しかし、生徒自身の裁量で活動しやすい総合学習は、自主性を育む場にもなる。生徒や中学教員へのヒアリングなどによって、生徒が中学校で培ってきた力を更に発展させるような活動のヒントが得られるのではないだろうか。

出典◎『第4回学習指導基本調査』/調査時期◎02年調査:02年9~10月、07年調査:07年8~9月実施/調査方法◎02年調査:学校通しによる質問紙調査、07年調査:郵送法による質問紙調査/調査対象◎公立中学校の教員02年調査:3,388人、07年調査:2,109人/抽出方法◎02年調査:北海道・岩手県・宮城県・新潟県・石川県・群馬県・東京都・山梨県・愛知県・大阪府・兵庫県・岡山県・福岡県・熊本県、07年調査:全国の公立中学校のリストより、都道府県の教員数に応じた抽出確率で無作為に学校を抽出。*分析対象は、国・社・数・理・外国語の5教科のいずれかを担当する教員のみ

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