特集 つなぐ教師の教科指導力

富山県立富山高校

◎県内で最初に創設された中学校・富山県中学校が前身。校訓は「慎重敢為」。1968年に日本で最初の理数科を設置。2002年度には文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール」の指定を受けた。山岳部や将棋部などが全国大会で活躍している。

設立●高校:1885(明治18)年

形態●全日制/普通科・理数科/共学

生徒数(1学年)●280名

08年度進路実績●国公立大には、北海道大17名、東北大10名、東京大3名、京都大2名、大阪大10名、神戸大6名など計195名が合格。私立大には、慶應義塾大10名、早稲田大10名、同志社大27名、立命館大106名など延べ538名が合格。

住所●〒939-8076 富山県富山市太郎丸1

TEL●076-421-2925

WEB PAGE●http://www.
toyama-hi.ed.jp/

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【視点1】校内でつなぐ:富山県立富山高校

教師同士のつながりと生徒の実態把握に
「互見」授業を活用する

富山県立富山高校は、5年前に教育実習の期間を利用して、教科内での「互見」授業を始めた。
2年前からは他教科の授業も自由に見学できるようにしたところ、新たな視点で授業を見つめ直す機会となり、生徒の客観的な把握にも役立っている。

新教育課程生の入学を機に「互見」授業などを開始

 教科指導力や授業の質を高めるために、富山高校が力を入れる主な取り組みは三つある。「教師が授業を見学し合う『互見』授業」「中学生や保護者を招いての公開授業」、そして「生徒による授業評価」だ。これらの取り組みは2003年度から始まった。当時は新教育課程の導入により、新入生の学力や学習意欲、授業に対する姿勢などが、従来と変わると予想された。そこで、生徒の学力や意欲の実態を把握し、その変化に対応しながら教科指導力や授業の質を高めていくために、「互見」授業や授業評価を取り入れることになった。
 公開授業や授業評価の導入には、保護者や地域への情報開示という目的もある。当時、大学の授業改善が話題となったこともあり、保護者から「富山高校ではどのような授業を行っているのか」「授業の質を向上させる努力はしているのか」「高校も大学と同じように、もっと情報公開をしてほしい」という声が寄せられるようになった。また、同校は県内有数の進学校だが、成績上位層の中には、同じ学区の他校に進学する生徒もいた。生徒確保という面でも情報公開の必要性があった。教頭の沢井友義先生は当時をこう振り返る。
 「保護者への説明責任を果たし、本校の存在感を保護者や中学生にしっかりアピールするためにも、本校の教育内容を積極的に伝えるべきだと考えました。こうして始まったのが公開授業です。生徒による授業評価の結果も保護者に公開しています」

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