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他教科の授業見学が授業の本質を考え直す契機に |
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03年度に始めた当初は、同じ教科内で授業を見せ合っていた。見学者が特定の教師に集中しないように、1人の教師が見学する授業は二つ、一つの授業につき見学する教師は2人となるように、教務主任が調整。授業後には授業の感想や意見を述べ合い、見学者は参考になった点、授業者が反省点をパソコン上の記入シートに書き込む。その上でだれでも感想を閲覧できるようにし、学校全体で課題を共有している(3P図1)。
「互見」授業が定着した07年度には、前述の通り、教科や授業数に制限を設けず、関心のある授業を自由に見学できるようにした。桐井先生は、他教科の授業見学によって、授業の本質的な在り方を改めて考えさせられたと話す。
「教科指導や授業において最も大切なのは、生徒が学んだ知識を活用できるようにすることだと思います。私が担当する物理でも、教科書に沿って教えれば、生徒は確かに法則や関係式を覚えます。しかし、それは単に暗記しただけです。社会に出たときに重要なのは、覚えた知識をほかの知識と組み合わせ、活用し、統合する力です。そうした力を生徒に身に付けさせることが一番大切だと考え、授業では、知識の断片を教えるのではなく、背景を説明したり、別の知識と組み合わせて考えさせたりすることを重視しています。同じような方針で授業に臨む先生は、他教科にもいます。担当教科の見学では細かい指導技術ばかりに目がいってしまうので、他教科の授業見学によって、違う視点が得られました」
沢井教頭は、「互見」授業は生徒把握にも役立つと話す。
「教室の後ろに立って授業を見ていると、生徒の様子を客観的に見ることができます。『今年の1年生は論理的な文章を読む力が弱い。もう少し詳しい説明が必要だ』『この教材は生徒の興味・関心がかなり高いな』と、自分が授業をしているときには気がつかないことが見えてくるのです。『互見』授業での発見が、生徒の実情に沿った授業の在り方を考える上で役に立ちます」
砂子先生は次のように話す。
「本校では学年縦割りで教科を受け持っています。そのため、他学年の先生がどのような授業をしているのかとても関心があります。実際に授業を見学することで、生徒の反応など参考になることが多くあります」
教育実習の約10日後には、教科ごとに教科部会を開く。どの教師も「互見」授業を通して、ほかの教師の授業の在り方や生徒の取り組む様子をつかんでいる。教科部会ではそれを互いに持ち寄りながら、生徒の実態を踏まえた上で、今後の指導方針を定めていく(図2)。
このように、同校では「互見」授業を「教師個人の授業力の向上」と共に、「組織としての教科指導力の強化」に結び付けている。
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9教科それぞれの教科部会の総括を1枚にまとめて教師全員に配付する。この資料を基に校内で課題を共有する |
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