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これからの進路学習 |
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教科指導を通して
社会や将来を考えさせる |
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4年前から、本校ではドリカムプランを含めた進路学習の全体像を見直し、徐々にスリム化を進めてきました。長年に渡る取り組みを通して気付いたのは、あえてイベントに頼らなくても、日常の学校の活動の中に、いくらでも進路学習の場面はあるということです。従来のイベント型の進路学習から日常型の進路学習への転換が、今のドリカムプランの最大の課題です。
例えば、社会人として必要なあいさつがきちんとできる、時間を守るといったことは生活指導の中で十分身に付けることができます。教科についても、教材の取り上げ方次第で、社会や将来を意識させることは可能です。例えば、国語で『羅生門』を扱う際、主人公の下人とリストラの対象となった派遣労働者の立場を重ね合わせることで、今日的な課題意識を掘り起こすことができます。2009年からドリカムプランのテキスト「ドリカムブック」の中に、各教科と日常生活や将来とのつながりを示したのも、教科学習への意欲を高めると同時に、教科から社会を考える視点を育みたいと考えたからです。 |
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挫折体験が
生徒の自立の芽を育む |
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生徒の自立を促すという意味で、「大学受験」は進路学習の中でとても大切な機会です。
大学受験の前期日程の1日目で手ひどい失敗をした生徒から、「報われなくても足を進める勇気」という言葉をメールでもらったことがあります。その生徒は、自分にそう言い聞かせて、2日目の試験に出掛けていきました。大学受験は、計画、修正、成功、挫折、失敗、再生……いろいろなことを教えて、魂を成長させてくれます。
人は成功体験よりも失敗や挫折を通して、本当に大切なものをつかんでいくものです。そうした体験をいかに多く積み重ねられるかということが、これからの進路学習に欠かせない視点だと思います。
また、今後は、グローバル社会に対応できる力の育成に力を注いでいくつもりです。そのためには、もっと社会への関心を持たせなければなりませんし、コミュニケーション能力や表現のスキルを磨いていく必要もあります。本校では、グローバル社会で必要な力を「城南CCS(Communication, Career, Science)」と位置付け、さまざまな場面で表現の機会を設けていくつもりです。
閉塞感の漂う社会において、希望を持って生きていくことは簡単ではありません。そうした中でも、生徒には、果敢に目標にチャレンジし、跳ね返されてもまたぶつかっていく経験を通して、一日一日を誠実に生きることの大切さを感じてほしいと思います。明るい未来を描き困難を乗り越えていく人材が、これからの社会を切り開いていく力になるのです。 |
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