特集)学力下位層の拡大にどう向き合うか

群馬県立富岡高校

群馬県尋常中学校甘楽分校を前身とする。「質実剛健・文武両道・自主自立」を校訓として、人格の陶冶とリーダーシップの涵養を目指す。「黒門プロジェクト」に基づく進路指導・学習支援により国公立大合格者が着実に輩出している。

設立●1897(明治30)年

形態●全日制・定時制/普通科/男子

生徒数(1学年)●約200人

09年度入試合格実績(現浪計)●国公立大は、東北大、筑波大、群馬大、東京大、高崎経済大などに計80人が合格。私立大は、青山学院大、慶應義塾大、中央大、法政大、明治大、早稲田大などに延べ335人が合格。

住所●〒370-2343  群馬県富岡市七日市1425-1

TEL●0274-63-0053

WEB PAGE●http://www.
gsn.ed.jp/gakko/kou/tomioka/

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例2】群馬県立富岡高校

読解力を土台とした「黒門プロジェクト」で
下位層を引き上げる

高校入試で全県一区の導入、私立校の台頭等で、学力下位層が
拡大傾向という群馬県立富岡高校。「なりたい自分」を描く進路学習と
同時に、全教科の土台となる読解力を養成し、生徒の意欲向上を目指す。

全県一区の影響で学力層が低下傾向に

 群馬県富岡市は県南西部に位置する、人口約5万人の都市だ。群馬県立富岡高校は同市を代表する進学校で、2009年度大学入試では76人が国公立大に現役で合格した。
 群馬県では07年度高校入試から、県立高校の通学区域が全県一区となり、高崎市や前橋市、太田市などの進学校に生徒が集中するようになった。私立校も特進クラスの設置、授業料減免制度の充実などで志願者を集め、実績を伸ばしている。全県的に18歳人口の減少が進み、周辺地域の県立高校では学力下位層の増加が課題となっている。
高校入学段階での学力層別割合の推移(スタディサポートの結果より)
 こうした背景から、同校でもここ数年、入学者の成績下位層がやや増加傾向にあるという。進路指導主事の高橋康先生は次のように話す。
 「スタディサポートでも、1年入学段階の成績下位層が増え、上位層が減っています。成績上位層の知的好奇心を満足させながら、成績下位層の引き上げを図る手立てが必要だと痛感しています」
 成績下位層が増えても、授業の難易度を下げたりはしない。授業で同じ内容を4回、5回と繰り返し、ノートを頻繁に回収し添削して返すなど、手間を惜しまずにきめ細かい指導を心掛ける。
 各学年の朝補習や夏休みなどに行う選択制の課外講座は、科目ごとに「基礎」「標準」の習熟度別とし、生徒が選択しやすいよう講座の狙いや対象とする学力層を明示した。

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