地方公立高校の挑戦
鬼塚利博

▲熊本県立大津高校

鬼塚利博

Onizuka Toshihiro
教職歴27年。同校赴任6年目。進路指導主事。英語科担当。「モットーは"Yes, I can.And I will try! "」

吉田祐一

▲熊本県立阿蘇高校

吉田祐一

Yoshida Yuichi
教職歴25年。同校赴任5年目。進路指導主事。英語科担当。「『自主自立・創造・共生』を軸に、生徒と向き合いたい」

村上房親

▲熊本県立高森高校

村上房親

Murakami Fusachika
教職歴9年。同校赴任3年目。進路指導主事。英語科担当。企業勤務後、教師に。「失敗を恐れずに突き進んでほしい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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進路状況や学力向上策を8校で情報共有

 各校の担当者は進路指導主事で、定例会議は年3回。進路指導主事に加えて、回によっては進路担当者ら1、2人が参加し、進路結果や夏休みの学力向上策など時期に応じた情報を共有する(図1)。
 例えば、3月の会議では、同年1月末時点でのAO入試と推薦入試の合格状況を報告する。この時には、八校連模試の成績推移や部活動の状況などの情報も共有する。
 高森高校の村上房親(ふさちか)先生は、2009年度の入試結果を見ながら、他校に「どのような指導をしたのか」「持っている資格は何か」など、具体的な質問をした。中でも、学力は同程度であるにもかかわらず、自校の生徒が不合格になり、他校の生徒が合格したケースについては気になると話す。
 「高森高校には若手教師が多いのですが、八校連にはキャリアが豊富で進路指導のノウハウを持つ先生方が大勢参加されていますから、勉強になります」(村上先生)
 大津高校の鬼塚利博先生も、「合格した生徒は、どのような実力を持っていたのか気になります。合格出来る力とは何か、それに気付くチャンスの場でもあります。また、8校のある地域柄、似たような気質の生徒が多いため、より本校の実態に即した情報が得られ、参考になります」と、その意義を語る。
 8月の会議では、夏休みの課外の期間や対象者、コマ数、時間、実施教科などを細かく報告し合う(図2)。09年度に初めて進路指導主事になった村上先生は、「以前は深く考えず、進路指導主事から指示された課外授業を開いていました。ところが、今度は自分が企画する立場になったので、何コマ実施するか、1コマ何分にするのかについて、この会で出たアイデアを取り入れながら計画を立てました。就職対策についても他校の先生に質問できるので参考になりました」と語る。
 教師同士の交流も八校連のメリットだ。鬼塚先生は「八校連という媒介がないと出会えない先生もいます。八校連を通して、ネットワークが確実に広がっています」と指摘する。

図1 八校連の定例会議での情報交換内容

第1回 5月

◎前年度の進路状況、当年度の学力向上策、課外の実施状況、模試の取り組み

第2回 8月

◎夏休みの課外の取り組み・課題(期間、コマ数・時間・実施教科など)、就職・公務員試験指導、2学期の取り組み(課外・模試・勉強合宿、学力向上策など)、講演会

第3回 3月

◎センター試験の結果、推薦・AO入試結果

図2 進路指導状況の報告シート

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図2:進路指導状況の報告シート
8月の第2回の定例会議での進路指導状況の報告シート。各校が定型フォーマットに取り組み内容などを記入し、情報交換する

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