各校の担当者は進路指導主事で、定例会議は年3回。進路指導主事に加えて、回によっては進路担当者ら1、2人が参加し、進路結果や夏休みの学力向上策など時期に応じた情報を共有する(図1)。
例えば、3月の会議では、同年1月末時点でのAO入試と推薦入試の合格状況を報告する。この時には、八校連模試の成績推移や部活動の状況などの情報も共有する。
高森高校の村上房親(ふさちか)先生は、2009年度の入試結果を見ながら、他校に「どのような指導をしたのか」「持っている資格は何か」など、具体的な質問をした。中でも、学力は同程度であるにもかかわらず、自校の生徒が不合格になり、他校の生徒が合格したケースについては気になると話す。
「高森高校には若手教師が多いのですが、八校連にはキャリアが豊富で進路指導のノウハウを持つ先生方が大勢参加されていますから、勉強になります」(村上先生)
大津高校の鬼塚利博先生も、「合格した生徒は、どのような実力を持っていたのか気になります。合格出来る力とは何か、それに気付くチャンスの場でもあります。また、8校のある地域柄、似たような気質の生徒が多いため、より本校の実態に即した情報が得られ、参考になります」と、その意義を語る。
8月の会議では、夏休みの課外の期間や対象者、コマ数、時間、実施教科などを細かく報告し合う(図2)。09年度に初めて進路指導主事になった村上先生は、「以前は深く考えず、進路指導主事から指示された課外授業を開いていました。ところが、今度は自分が企画する立場になったので、何コマ実施するか、1コマ何分にするのかについて、この会で出たアイデアを取り入れながら計画を立てました。就職対策についても他校の先生に質問できるので参考になりました」と語る。
教師同士の交流も八校連のメリットだ。鬼塚先生は「八校連という媒介がないと出会えない先生もいます。八校連を通して、ネットワークが確実に広がっています」と指摘する。 |