ところがその後、模試は外部委託になり、今や、進路指導主事が集まって情報共有する場も八校連に限らず他にもある。八校連の存在感は薄らぎ、形骸化が進んでいた。
また、八校連には大きな壁もあった。各校の進学傾向の違いが大きい点だ。大学進学者が大半を占める高校もあれば、就職や専門学校進学者が大半を占める高校もある。全校生徒数も100人強の小規模校から1000人近い学校まで幅広い。必ずしも各校の関心の高い情報が共通しているわけではない。
鬼塚先生は、「いろいろな事情の高校が集まるからこそ得られる利点はあります。就職する生徒が多い学校でも、大学進学者がゼロではありません。進学校にも就職希望者はいます。例えば、就職希望者向けに開く講演会で、人間としての在り方や生き方を伝えられるような講師は誰が良いのかなど、進学校にはない情報を得ることができます。しかし、そうした多様な学校が集まるからこそ得られるメリットを十分に生かしきれていなかった面はあります」と話す。
だが、08年度に事務局を務めた大津高校の白濱裕校長(当時、小国高校校長)が大学教員を招聘して講演会を開くなど、それまでにない動きが生まれてきた。阿蘇高校の吉田祐一先生は、「その頃から、事務局の自由裁量で柔軟に活動しようという雰囲気が出てきました」と話す。吉田先生は、鬼塚先生の「せっかくの八校連だから、何か八校連でなければ出来ないことをやりたいね」という意向も聞いていた。 |