|
|
|
|
|
2 理数教科における「考える力」のステップ
|
|
教科の学習のなかで、子どもたちが自ら「考える」とは、どのようなことなのだろうか。編集部では、広島大大学院教育学研究科の角屋重樹教授の話をもとに「考える力」のステップを図3のように整理した。
|
|
▼クリックすると拡大します。
|
|
まず、「考える」うえでの出発点は、「どうしてだろう」「なぜだろう」という疑問を持ち、その気づきをもとに予想や仮説を立てることである。そして、持っている知識を組み合わせながら、疑問を持ったことについて実際に自分で調べ、他の人にも納得できる結論をつくり上げていく。こうしたプロセスを踏むことで、「考える力」が深まり、社会に出たときの生きる力にもつながっていくのだ。
理科の場合、その学習活動は、実験や観察を通して、(1)実証性(実験で確認できる)、(2)再現性(必ず同じ結果になる)、(3)客観性(誰にでも共有できる)の三つの要素を確かめていく作業であり、事実に基づいて考える姿勢を習得していくことができる。
また、算数は、「正解」「不正解」が明確な教科だが、正解に至る過程は何通りもある。それぞれの解法は必ず論理的に説明されなければならず、筋道を立てて考える力を身につけていくことができる教科である。
このように、主観に左右されない理科や算数は、本来、論理的な考え方を身につけるのに適した教科と言える。その特性を生かすため、教師たちは日々、指導におけるさまざまな配慮や工夫をしている。
そこで、今号の特集では、理科・算数を入り口にし、「考える力」を引き出す授業づくりを検証していく。
|
|
|
|
|