ベネッセ教育総合研究所
Case Study 学力調査を生かした実践事例
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(3)定期テストに向けた計画実行表の運用
 3つ目のドリームプランは「定期テストに向けた計画実行表の運用」だ。片柳中学校では、主要5教科すべてについて、試験範囲を単元ごとに具体的に示している。(図3)

図3
■図3 試験範囲のプリント
5教科で細かな内容まで試験範囲が示される。ワークの提出期限なども記され、
理科ではできているかどうかをチェックする欄まである。とても丁寧な作りだ

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たとえば、数学の1年生2学期の中間試験では、「正負の数の乗除の計算ができるか」というポイントまで明示するのだ。A4で3~4ページにまとめられた詳細な試験範囲が生徒に配付されると、生徒は試験10日前から「計画実行表」(図4)に家庭学習の計画を立てていく。

図4
■図4 中間テスト計画実行表

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各教科の勉強内容と勉強時間の計画を立て、計画がどの程度達成できたのか、自己評価を記入するのだ。こうすると、何ができていないかがわかるようになり、試験当日までに何をしなければいけないのか、目標を絞りこみやすくなる。そして、わからないところは放課後、質問会で聞くという具合だ。
(4)生徒自己評価表の工夫
 自己評価表とは、授業で使うプリント冊子の後ろに貼付してある表のこと。生徒が自分で何ができて何ができていないかを振り返るもので、「知識・理解」などの4観点別に自己評価させる。このほか、授業ごとに挙手の回数を数えて累計を出し、50回になったらシールを1枚貼っていく。また、提出物は期限までに提出し、内容がOKならばB以上の評価。未提出や再提出の生徒には、その後何日遅れたかでマイナスにしていく。
 この自己評価表には、苦手な生徒をサポートし、やる気を起こさせたいという各先生の思いが込められている。たとえば、数学の授業では「今の話、納得した?」「わからない人は?」とこまめに先生が尋ね、挙手をさせる。苦手な生徒でも挙手ができる必然性を意図的につくるように心がけているのだ。また、提出物も期限を守ればAがつくので、本人の努力が認められる。この自己評価表は期末テスト前に毎回回収し、生徒が記入した内容は通知票の観点別評価に生かされていく。
こうした活動の結果、04年度6月に実施した「学力調査」(注1)では、教科の学力の到達度が全般的に高かったことに加え、学びを支える「学びの基礎力」のスコアも高かった。

(注1)ベネッセの「総合学力調査」。教科学力に加え、「学びの基礎力」「生きる力」を加えたトータルな学力を捉える調査


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