ベネッセ教育総合研究所
Case Study 学力調査を生かした実践事例
川上彰久校長
川上彰久校長

東京都足立区立
弘道小学校
〒120-0014
東京都足立区西綾瀬4-7-27
TEL/03-3887-6691 FAX/03-3887-6692
http://www.adachi.ne.jp/users/adkoud/index.html
校長/川上彰久先生 生徒数/340人 学級数/12学級

足立区は東京都北東部に位置するベッドタウン。学区域は主に住宅地で、2町会5自治会にわたっている。弘道小は水戸の弘道館の精神を受け継ぎ、明治11年開校以来127年の歴史を持つ。このため、父母、祖父母の代から同校に通う家庭も多く、地域の人々との交流も深い。玄関や校庭のまわりには草花がきれいに植えられているが、これも地域の人々の手によるもの。子どもたちのあいさつの声も明るく、のびのびとしている。
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テーマ4 家庭との連携による学力向上の取り組み(1)
地域、家庭、学校ぐるみで学力向上に取り組む
 学校だけが学力向上のために努力していても、保護者の協力なくしては成り立たない。家庭と徹底的にコミュニケーションを図りながら、子ども一人ひとりにとってよりよい成長環境を常ねに考え続けている弘道小学校の取り組みを紹介する。


教科担任制によって子どもも教師も生き生きする
 弘道小学校は、平成15年度から文部科学省学力向上フロンティアスクールの指定を受けた。平成14年から実施している2学期制の取り組みに加え、平成15年から教科担任制を取り入れた学力向上施策に取り組んでいる。現在は4年生以上の全教科で教科担任制を取り入れている。
 たとえば、算数の場合、算数の担当2名と加配教員1名の計3名が4~6年生のすべての算数授業を行う。習熟度別授業を取り入れている算数は、2クラスを3つのコースに分け、指導をしていく。各教科の担当者は毎週木曜日の放課後、教科担任会を開いて授業の進度調整や教材の研究、評価について話し合う。この中で、個々の子どもの学習状況や気になる点、必要となる指導なども話し合った結果、教師全体の指導力が向上した。
 「これまでは、学級担任がクラス全員を責任もって指導していたので、学級の壁がありましたが、教科担任制にすると、4年生以上の先生ならどのクラスの子どもも知っているので、子どもに対する理解が極めて深くなります。いわば、教科担任全員がクラス担任になったようなものです。だから、何かあったときにも対処しやすい。中学校の教科担任の機能を生かすと同時に、小学校の学級担任制のよさも残しながら、うまく融合させたわけです」と川上彰久校長は語る。
 また、教科担任制は子どもにもメリットがある。担任以外の先生にも気軽に話しかけることができ、また、多くの先生から授業を教えてもらえるので、「授業が楽しくなった」という声も多いのだという。

※年度表記は原則として西暦表記としているが、本稿は足立区の要望により和暦表記にしている


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