ベネッセ教育総合研究所
地方自治体がひらく新しい教育
CITY DATA
篠山市
  1999年、旧多紀郡の篠山町、西紀町、丹南町、今田町が合併して誕生。兵庫県の中東部に位置する盆地で、四方を山々に囲まれ、全面積の約7割は山林が占める。特産品は、丹波黒大豆や丹波マツタケ、丹波焼など。市内には、完全複式の3学級の小学校もあれば、1学年100人以上が在籍する小学校もあるなど、教育環境の地域差が大きい。こうした問題へのアプローチの一環として、学校・家庭・地域の三者が連携し、多角的に児童・生徒を見守る施策に力を入れている。

◎篠山市データ
(05年5月末現在)
面積/377.61km2
人口/47,141人
人口密度/125人/km2
小学校/19校
中学校/5校
養護学校/1校

篠山市教育委員会
所在地 〒669-2397
兵庫県篠山市北新町41番地
電話 079-552-5714
FAX 079-552-8015
hyogo.jp/
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事例紹介 1
兵庫県篠山(ささやま)市
地域の風が子どもに意欲を呼び起こす
学校と家庭、地域との連携を強固なものにするため、篠山市教育委員会では指導の基本となる教育モデルを定め、それに沿った施策を次々に打ち出している。学校教育に家庭や地域を巻き込むことで、どのような“学び”を生み出すことができるのだろうか。


校区の広さが地域の結びつきを分散
 篠山市教育委員会では、学校と家庭・地域との連携に、とりわけ重点を置いた施策を打ち出している。その背景にあるのが、篠山市の地理的な条件だ。
  篠山市内には、19の小学校と5つの中学校が点在するが、それぞれの学校は通学区域が広く、山間部も多いため、徒歩による通学が困難な子どもが少なくない。そのため、学校によっては、自転車での通学を認めたり、スクールバスを走らせるなどの対策を講じている。
  そうした環境の変化が、子どもと地域とのつながりを希薄にしてしまうのではないかと、篠山市教育委員会学校教育課の副課長兼指導主事・細見博文氏は危惧する。
  「同級生の家が離れているので、放課後に一緒に遊ぶことも容易ではないため、関係が希薄になりがちです」
  もともと篠山市は少子高齢化が進んでいる地域でもあり(図1)、兄弟姉妹が少ないうえに、近所にも同年代の子どもが減ってきている。こうした環境のなかで、放課後を一人で過ごす子どもが増えているという。
  「地方の子どもは集団で自然のなかを駆け回っている、というイメージがあるかもしれませんが、それも今は昔の話です。友だちの家は遠いし、近所には同年代の子どももいない。となれば、家にこもってゲームでもしようとなってしまいます。その点では、近所に遊び相手が集まる都会の子どものほうが、集団で遊ぶ機会は、多いかもしれません」(細見氏)
▼図1
図1


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